「未知の領域」を目指すべき人

先週約一週間のうちに、
羽生九段の降格と藤井総太五冠の誕生が起こったことについて、

「一種の覇者交代ということなのだろう。」
…と、中原元五冠が書いておられたのですが、
私も、同じような印象を持っていたので、ハッとしました。

「直接戦ったわけではないし、わずか 1 週間ほどで起こったのは偶然といえばそれまでだが、それだけではない気もする。」

…というのは、
まさにそのとおりで、

物事を客観的に観察する人というのは、
この世界において、トップの交代というのが
杠葉(ゆずりは)の葉が落ちるように自然に、
…けれど疑いようのない現象をもって起こるのだということを、
知っておられるのだろうと思います。

この2人の命式の要素を見比べると、以下のとおり。

羽生さんが天堂星→天将星→天堂星、寅卯天中殺、中殺なし
藤井さんが天将星→天堂星→天報星、午未天中殺、宿命二中殺、二異常干支

若年期の天将星というのは、
その期間の多くが親の庇護下にあるものなので、
基本的に陰転傾向といわれますが、

藤井さんのように幼少からその星を光らせる素養を育まれ、
実際にその星を光らせる環境に身を置くことができると、
立派に光ることができるということが伝わってきます。

さらにいえば、
宿命中殺というのは、

その枠のないエネルギーを発揮できる環境を得ることができないでいると、
中殺のない普通命式の人たちに、まるで太刀打ちできないものですが、

中殺を持つ人が中殺を活かすことができる適切な環境、
枠のない環境を得られると、

たとえ天将星を壮年期に持つような「盤石の強さを持つ人」でもまるで及びもつかないほどの強さを持つのだ、
…ということもまた、伝わってきますね。

藤井五冠は5歳で将棋を知り、その世界に入って瞬く間に飛躍されたそうですが、

この方が、
地元で、しがらみの強固な学校に通い、
友達を一生懸命つくることにきゅうきゅうとしていたなら、
その壮大なエネルギーを小さな枠に押し込められ、
鬱屈し、環境になじむことが出来ず、
凡人にも劣る人生を歩んでいたかもしれません。

羽生さんと藤井さんの話に戻せば、
互角の戦いであった場合、
宿命の消化度、宿命と環境の一致度が高いほうが勝ちます。

「勝つ」というか、生き残る・覇権を握る、というか。

「将棋は、どこが頂上なのか全く見えず、とても奥が深い。今、取り組んでいることをこれからも続け、実力を高めたい」
…と、五冠達成に当たり、藤井さんはおっしゃっていましたが、

こういう「人間の世界」を越えて「神の領域」を目指すということになると、
やはり、それは中殺を持つ人の真骨頂、という感じがいたします。

例えば、
体操という競技を極めることに向かい無敵の強さを誇った内村航平選手は生月天中殺の人、
フィギュアスケートという競技の限界を超えていくことに向かった羽生結弦選手は生年天中殺の人、
野球という球技の伝説を実現した大谷翔平選手は生月天中殺の人です。

「未知の領域」を目指す生き方こそが、
宿命中殺を持つ人にとっての「宿命と環境の一致」である、
.…ということを、
彼らを見ていると、揺ぎ無い確信とともに理解できます。

それにしても、
藤井五冠のような宿命二中殺の人というのは、

年干支・社会世間の場所が揺らぐ
=敵が絶え間なく現れる、自分外野に絶え間なくあれこれ言われる

月干支・立場の場所が揺らぐ
=自分の地位・拠り所を絶え間なく攻撃される
…ということをもって「安定する」のだな、ということが、
藤井五冠を見ていてよく分かりました。

人間というのは、
持てる能力・才能よりも、
「適切な環境」をえるほうがずっと大事でもあるな、と思いましたがどうでしょう。

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