イチロー② 試練と苦難を超えた人

イチローは壮年期に天南星がめぐる人です。
幼年期には天印星、どちらも土性から生まれる星なので、アクの強さがあります。

天南星は舌禍の星といわれます。
口だけ番長、とときどき書きますが、
気が先行し、実が伴わなわないため、批判力ばかりが目立つと言われます。

しかし、挫折を経てその気と実が一致し、その青年の星、青春の星の活力が生き生きと光り始める星でもあります。

華々しい経歴ばかりがフォーカスされますが、実はイチローは挫折の人でもあります。
投手としての野球人人生を事故によって閉ざされ、
ドラフトでは4位という評価に甘んじました。
プロとして活躍し始めてからも、舌禍運が炸裂し、マスコミに嫌われて酷いことばかり書かれていた時期もあります。

そうした挫折を経て、
イチローは華々しく活躍の道を歩み始めた、ということ。

おそらく、本人が引退会見で言った
「他の人より頑張ることなんてとてもできない」
という言葉は、本人にとっては本心だっただろうと思います。

彼は自分の道をただ孤高に歩んできただけ。

その過程で様々に挫折や思うに任せないことを多く経験していて、
(他人からそれが見えるかは別にして)
決して順風満帆に来たわけではない、
という思いが強くあるのだろうと思います。

よく、松井秀喜と比較されますが、
彼は自分が松井のような王道を歩んできたわけではないということを、
誰よりも感じていたのではないかと思います。
(それは、松井がイチローのような記録を成し遂げられなかったことによって感じていたであろうものと同様に)

イチローは日干が辛の人。
誰よりもプライド高く誇り高く生きてきた人ですから、当然です。

しかし、そのプライドを刺激する存在がいたからこそ、ここまでストイックに頑張れたという面もあるのではないかと感じます。

主星は玉堂星、東に龍高星、南に調舒星。
古きを学び、それを実践に生かして行く人でもあり、
そのプロセスにおいて常に火水の葛藤を抱いていたであろうと思われます。

葛藤というと苦しそうなことばかりがフォーカスされますが、
イチローを見れば、その葛藤こそが成長の源泉になることがよく分かります。
逃げずに向き合い、自分を高めていくことでしかその葛藤は解消されず、
しかしその葛藤を解消した先には光があるということがわかります。

いろんな意味で、
多くの人のお手本になる人。
私のイチローについての印象はそんな感じです。

それは、偉業ゆえではなく、
その試練と苦難に満ちた人生に向き合いながら歩んだひとという意味でそう思います。

だって、
普通、目指していた投手生命を絶たれたりとか、
ドラフト4位とか、
多分本人には相当の挫折。
それを越えることができるということをみんなに示したという点で、
多くの人が見習うべきお手本のような人、と思います。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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