『業務ハックしてクビにならないために』と『王道の研究』

『業務ハックしてクビにならないために』という記事を読みました。

 

「業務ハック」という言葉を初めて知ったのですが、
簡単にいえば、既存の仕組みをガッツリ変えて劇的に効率化することをいうようです。
詳細はこちら:https://note.com/hrfr84/n/nfe02c7abac5e

 

この記事は、その業務ハックをして既存の仕組みを変え、既存の組織に打撃を与えてしまってクビになったという話。

「ひどいなぁ」
と思いそうなところですが、こういうことは、田舎の小さな組織だけでなく都会の大きな組織でもよくあります。

 

よくありますが、
たいていは若く力がないうちに日本の組織では「これをやったらヤバい」ことに気づくか、
きちんと根回しをしながら進めないと自分がスポイルされることを学ぶもので、
実際に業務ハックをしてクビになるような人は稀ではないかと思います。

 

その意味で、
この記事の人の場合は、優秀ではあるけれど、そういう日本の既存組織において求められる慎重さに欠けていたことが問題だったのであって、業務ハックをしたこと自体が問題だったわけではないだろうと思います。

 

同じことをしても、
上司に相談しながらすすめるとか、
上司の手柄にしておくとか、
社長に根回ししておくとかして、
組織を維持する形で進めていれば、
むしろ一躍昇進昇格ということもあったのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

ちなみに、
すごく良いことをしたとしても、
大きく世界の仕組みを変えるようなことをすると、淘汰の危機にあうものです。

 

これは、組織に限らず、
エネルギーの権利関係や流通の仕組みなどを劇的に変えて(改良して)しまう場合や、
生活や消費を大きく変えてしまうような商品の発明などにおいても同じことがいえて、
それによって既存のバランスが崩れてしまう(=既得権が失われる)ようなことをすると、より高次の力を持つ存在にガツンとやられたりします。

 

「より高次の存在」
は、悪役に見えますが実際にはそうでもなく、その高次の存在の下には大多数の一般庶民の生活や活動があることが一般的で、
そうした大多数を脅かす側面がある(=世の中のバランスを崩す)ために、
それを守る(=現状を維持する)力が自動的に働くということです。

 

劇的に世の中を改善するような何かをした人が命を落とすということがときどきあります。
これをもって、何か大きな権力や組織に恨まれたということではないかということがいわれたりしますが、
世の中の大多数の人がその改革的な改善を望んでいない場合には、自然誘発的にその改革の旗手が淘汰されるということになったりします。

 

世の中、改善を望む人がいる以上に現状維持を望む人というのが多くいます。
そういう人はいわゆる「サイレントマジョリティ」であり、もの言わぬ多数派なので、
本質的に何かを変えようとする場合には、
モノをいう人だけでなくモノを言わない人を最大限推し量り、慮る必要があるのだろうと思います。

 

既に構築された社会を大きく変えることは、一方では大きく歓迎される一方、他方では歓迎されないということがよくあります。
それを変えようとすると、
「まだ時期ではない」ということで淘汰されます。

 

変えるなら、動乱の時期を選ぶべきで、今はその時期ではありません。

 

今、安岡正篤氏の『王道の研究』という本を再読しているのですが、
それには、「王道とは無理をせぬこと」とあります。
「知は反感と混乱を呼ぶ」ともあります。

 

余程の動乱、危機的状況であれば別ですが、
そうでない時期に物事を本質的に大きく変えていこうとするなら、
知に寄らず、無理をしないで進める在り方が求められるだろうと思います。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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