天南星の陽転に必要なもの

湯川秀樹先生の『詩と科学』という本の冒頭において、
「素人目にはちっとも面白くない数式の中に、専門家は目に見える花よりもずっと美しい自然の姿をありありと認めるのである」
…という言葉があります。

算命学でも、素人目には漢字の組み合わせにしか見えない干支の組み合わせから成る命式の中に、
生々しく人間そのものを捉えるよりもはるかに美しいその存在を認めることができるものですが、

つまるところ、
その世界に「美」を認めることができること、
それが「その世界への招待状」なのだろうな、とそんなことを考えました。

さて、昨日の続き、天南星についてです。

天南星というのは、青年の星、大人に成る前の年代の星で、
イメージとしては20代から30代くらいの血気盛んな若者の星。

知識はあり、身体も大人なのですが、
現実の厳しさを体験するよりも前の年代なので、

「現実的」な思考ができず、「理屈」「正論」だけで突き進む、
自分が体験したわけでもないのに、理想論を偉そうに語りながら突き進み、

まわりの心配を「弱腰」、安全策のアドバイスを「卑怯」といって退けながら、
全力で前進した先において「現実」にぶちあたって挫折する…みたいな感じの星です。

「挫折する星」なのか?といえば、
厳密に言えば「挫折する」ことで光ることが出来る星、というほうが適切で、

知識と若さを備えている「若者」が、
現実にぶち当たって挫折して、学ぶべきを学べば、
それは「立派な若者」となり、そうなってはじめて「本来の天南星」になるといえますね。

つまり、天南星というのは、
確り挫折すること、現実の厳しさを知ることなしには光ることが出来ない星、
そして、確りと学ぶべきを学ばないと、我田引水な物言いや、空理空論を振りかざすような在り方ともなり、
その先において、詐欺を働くとか、色仕掛けでコトを為そうとかいうことに向かうわけです。

さて、だとすれば、
天南星に何が必要なのかわかりますね。

現実的な世界に身を置いて、苦労をすること、
しっかりと世の道理を知るために勉強すること、
…それが、天南星の陽転に必要なこと。

実際、「現実の洗礼」を受けた天南星はたくましく、力強い活躍をされます。
しっかりと世の道理を備えた天南星は、他人と衝突することなく、世の道理に従ってその力強さを発揮することが出来ます。

とはいえ、天将星も苦労をしないとロクデナシになる星で、陽転率が低い星ですが、
天南星というのは「現実の厳しさ」なしには陽転できない星なので、
これをご覧になった天南星の方で陽転から遠そうだ、という方は、
金の草鞋を履いてでも「現実の厳しさ」を探し求められることをお勧めいたします。

「現実の厳しさ」とは何かといえば、
地位や名誉、お金といったものを、ガチンコで他人と争うような経験を指します。

逆にいえば、地位や名誉、お金といったものをガチンコで争わないようなら、
それは「現実」を生きているのではなく、
「現実」を眺めているようなものであるということです。

そういう天南星は「現実の洗礼」を受けていないという意味で、何をしでかすか分からない危険があります。

例えば、天南星がありながら、
「まわりに合わせて生きています」みたいな人がいるとすれば、
それは「ラクな道、安全な道」のために、嘘をついたりごまかしたりして生きてきた人であると推察することができます。

「まわりの人を応援するのが嬉しいです」などという天南星がいるとすれば、
それは、本来のエネルギーを発揮できない欲求不満をマグマのように抱えているのだろうと見ることが出来るわけです。

天南星というのは、身強の星、人を率いる役目を持つ星の一つです。
にもかかわらず、「まわりに合わせる」とか「まわりを応援する」とか、
…というのは、ちょっと何かが違っている、ということです。

ちなみに、
女性などで、「異性受け」を意識してか、天南星がありながら「大人しい風」を装う方がおられますが、
そういう本道から外れた在り方に向かうと別のところで「現実」を突き付けられます。

例えば、女性にとっての現実というのは家庭がそれですが、家庭内で問題がおこったりして、
否応なく「現実的逞しさ」を生きねばならないような状況を引き寄せますので気をつけましょう。

…と厳しいことを並べましたが、
大谷翔平選手やイチロー選手、女性だと米倉涼子さんは天南星がある方ですが、
共通するのは、ストイックな努力家であること。

ストイックな努力には、
必ず理論的背景と現実的な積み重ねがあるわけで、
先に挙げた天南星の陽転に必要な、

現実的な世界に身を置いて、苦労をすること、
しっかりと世の道理を知るために勉強すること、

…にも、このストイックな努力は通じています。

つまり、天南星が真に陽転しようとするなら、
そういうストイックな努力をもって現実に対峙することが必要であるということでもあろうと思います。

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