カルロス・ゴーン、時代とともに去りぬ

カルロス・ゴーンの奇襲的日本脱出大作戦。
そして昨日の一方的なうらみつらみに満ちた非難声明?暴露的記者会見?

 

日本人の感覚としては、
大企業の社長を20年も務めた人がそんなことをするなんて!
と、思うのですが、この人はレバノン🇱🇧、ブラジル🇧🇷という開発途上国で生まれ育ち、そこから頭角を現してきた人なので、先進国たる日本の常識で彼の言動を測ることは出来ないだろうと思います。

 

発展途上国開発途上国というのは、国自体が動乱の中にあります。
そういう国では法律よりも力がモノをいい、
法律を守るよりも生き残る強さを持つことの方が優先します。
国の機能が緩慢なので、頼れるのは己だけであり、品性品格よりも攻撃力や経済力のほうが尊ばれます。

 

現代の日本にいるとあまり想像出来ないかもしれませんが、世界にはまだまだそういう社会がたくさんあって、
カルロス・ゴーンという人は、そういう社会で己を磨き、寄る方ない場所(レバノンもブラジルも頼れる国という感じではないですしね)で己を守る堅牢な砦を自らの手で着々と築いてきた人なので、
今回のような奇襲的脱出も、それに続く大非難・大暴露も、おそらくは「昔取った杵柄」的にお手の物だったのではないかと推測します。

 

発展途上国開発途上国で頭角を現すのは下格の人であるといわれます。
例えば戦国時代の武将の多くは下格の人であったといわれますが、下格の人というのは「ルール無用」とか「実力主義」という社会においてその本領を発揮します。
文明国・先進国であっても、いわゆる時代論における動乱期であれば、そこで活躍するのはやはり下格の人。

 

カルロス・ゴーンは忌神が年干に透干している下格寄りの人ですが、この人が来日したのは1999年、まさに日本の動乱期にあたります。

彗星のように登場し、斯くも長きにわたり活躍の場を得られたのは、来日からの20年がほぼその動乱期と重なっていたからだろうと思います。
そして、その動乱期を抜け、安定期に入ったタイミングでの今回の追放劇。

 

アウトラインを拾っていけば、彼の登場はもちろん、その追放劇も今回の脱走劇も、ある意味当然の成り行きであり、驚く要素はあまりないように思いますがいかがでしょうか。

 

例え話をするなら、
戦国時代を生き抜いてきた武将があるとき大企業の社長になり、
その大企業が先進国なりの安定病、大企業病に陥っている、その組織において「武将の本領発揮」とばかりに大鉈(おおなた)をふるって抜本的な解決をもたらし絶賛されたけれど、
それにより利益がもたらされ日々安定してくると、武将の社長は暑苦しいし危なっかしいし‥ということで追放されましたとサ。
みたいな感じのお話です。

 

マクロンなどフランス政府🇫🇷の介入などというのは些末な理由であり、コトの本質は、下格の経営者(ゴーン)が上格の国(日本)の下格の時代(1997年〜)にやってきて、
活躍したけれど上格の国が上格の時代(2017年〜)に入ったら、下格の経営者は居場所を失った、それだけのことなのかもしれません。

 

ちなみに、ゴーンさんは今年から東方天剋地冲がめぐり、現在に見て取れるような社会的苦境にあるのは星通り。
しかし、あと何年かしたら、こうした事態をバネにして大復活など、世界を驚かせることもあるかもしれないなぁと思っています。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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