次期日銀総裁についての雑感

日銀の総裁が、東大の名誉教授である植田和男氏に決まったそうです。

命式をご覧になった方であればお気づきと思いますが、
その例え自体が不穏に感じる、いかにも「学者」な命式の方です。

良い点を挙げるなら、
陰が極まる癸水の今年、
日干癸水のこの方が、新たな総裁となることで、

過去10年の総括をして、日銀の膿を出し、
「癸」の意味である基準・筋道といったものを明確にして、筋道を立てて今後を展望するには良い年であり、期待が持てるのではないか、と思います。

悪い点は、言わずもがなですが、政治色がゼロであり、
政治的な融通の利きにくさが吉と出るか凶と出るか。

黒田総裁が、清濁併せのんで対応できる懐の深さと、
官僚的な役目や責任で動く質を持っていた一方で、

植田氏は、そういう「遊び」がまるでない、
ほぼほぼ杓子定規の、学者的な、融通の利かない傾向が感じられ、

さらにいえば、
それが政府であったとしても、
「他人の言うことをきく」感じがほぼないのも気がかりな点で、
最近の「政府御用達」的な聞き分けの良い動きをするかどうか、未知数です。

学者であるからには、当然に、
「教授のいうこと」を聞いて道を切り開いてきたわけですが、

「先生の言うことを真面目に聞く」というのと、
「政府のいうことを聞いて従う」というのとは、
エネルギーの方向がまるで違って、
この方は、前者はあるけど、後者はないので、不安です、ということです。

そういえば、サマーズ元米財務長官が、同氏について、「日本のバーナンキだ」と言ったそうですが、
バーナンキ氏との共通点は、東方鳳閣星であり、数字を見通す才能は確かに共通しています。

但し、知恵の星のない鳳閣星と、知恵の星のある鳳閣星は違っていて、
知恵の星のない鳳閣星は、察知したものを疑いなく捉えることができる一方、
知恵の星のある鳳閣星は、察知したものを疑うことになります。

もちろん、疑う=検証する、ということであり、
鳳閣星の察知したものは、通常、その理屈を本人も他人も理解できないのですが、
(天才的なインスピレーションのように捉えるので)
知恵の星があれば、その理屈を考えることとなり「人に理解される」ことにはなります。

けれど、それが「理解される」だけの整合性のあるものとなるまでに本人はたいへんにエネルギーを消耗することになり、それに耐え得るかも多少心配な感じもあり。

貫索星がめぐる比和の年の就任ということで、
癸水らしさを揺るぎなく発揮され、「癸」の年を全うされますよう、心より祈念しております。

そうすれば、天の気に応援されるはず。

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