千本ノックの意義

ちょっと観念的なお話です。

俳優山崎勉さんが日経新聞で連載中の「私の履歴書」に、
…..
巧(うま)く演じて褒められたい、そんな媚 びを取り去るためには身体に余裕を与えないこと。
そのための手段が、 酷使、ハードワーク、
例えば、千本ノックは恐怖や体裁を取り去り反射的にボールを捕る鋭い動きを作る。
あれだ、あれを参考にしよう、と思った。
….

ということを書いておられて、
その「媚び」を取り去った、人間として研ぎ澄まされた姿…というのが、
小林秀雄先生のいう「歴史になった人間(=既に変化することのない確定した人物)」という概念につながるような気がして、
朝からちょっと考えていました。

たぶん、いっているのはどちらも、

「素の自分」
「本来の自分」になるということを指していて、

ただし、
小林先生のほうは「死んだ後でたどり着く本来の姿」である一方、
山崎さんのほうは「生きながらにしてたどり着く姿」であろうと思います。

小林先生のいう「死んだ後でたどり着く姿」というのは、
算命学でいうところの陰占の姿であり、
陰占のカタチを生きることは宿命に応じた人生といえるのですが、

通常は、というか多くの人は、
生きているうちは、なかなか宿命の通りに生きることが難しい傾向にあります。

というのも、
本来人間というのは、

自分の心のままに、心に正直に生きていると、
本来の宿命からそれるということはないのですが、

だいたいは、
「巧(うま)く演じて褒められたい」…という媚びみたいなもの、
例えば、たくさんの人が「すごい」といってくれそうなことのほうがカッコいいとか、
親や先生が 「これがいい」と称賛しそうなものに順 (したが)う方が喜ばれるとか、

…そういう変な色気みたいなものに転んで、自分の心の声を無視するようになる、
つまり「自分の心」に嘘をつきながら生きていくようになるので、

生きているうちは、なかなか「素の自分」を生きるのが難しい、
つまりは、宿命の通りに生きることが難しい…ということになるのです。

そして少数の 「だいたい」以外の人たち、
生きながらにして「素の自分」で生きることが出来る人たちだけが、
立派に本来の自分の姿を生きながら、大きな活躍を実現していく。

…その秘訣、というか手段が「酷使、ハードワーク」 なんだな、ということに、
ちょっとした感動をもって驚きながら気づき、
しばらくそのことの発見というか思考というか…に、とどまっていた次第。

以下、多少我田引水的な私事であることをご理解の上ご覧いただきたいのですが、

私は、算命学のブログを毎日書くようになって生活の密度がものすごく高くなりました。

一つのアクションに二層も三層も、
場合によってはそれ以上、意味を持たせる、
一つの関係に、2つ3つどころか、4つも5つも目的を持たせる、
…みたいなことをしていると、

もう、 他人に好かれるかどうか、世間に評価されるかどうか、
つまり、他人がどう思うかとか、世間がどう言うかとか、
本当にまるでどうでもよくなり、
ひたすら自分と自分が目指す世界だけになっていくのですが、

それが山崎さんのいうところの「千本ノック」みたいなものなんだろうな、と、
そんなことを考えました。

ちなみに、
そんなふうに私心がなくなってからのほうが、たくさんの方に読んでもらえるようになったのですけれど、

これはつまり、

媚びとか、そういう私心のようなものがすべてなくなってくると、
他人のことがまるで気にかからなくなるわけですが、
そうすると、逆に、他人からは自分のことがくっきり見えるようになる、

ということにもつながるんじゃないかな?

そしてその他人からくっきり見える姿というのが、
自分の本来の姿(=陰占の姿)であり、

そういう本来の姿となることで、
初めて道が開けるんじゃないかな…などと考えました。

もっとも私はまだまだ 「道が引ける」 とう段階にないのですが、
たぶん、まだまだ自分では気づいていない「私心」や「媚び」のようなものがすっきりなくなると、
もっとくっきりと他人から見えるようになり、
歩むべき道というのも、もっとくっきりと開けてくるんじゃないかな?
…と、そんなことと考えたのですがどうでしょう。

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