「二度目」が勝負な人たち

ひとに何かを言われて、
一度目は､ 動じて、その言われたことを気にして一生懸命自分を修正しようとしたけれど、
二度目になると、
その人の意見の稚拙さに気づき、こういう人間のいうことに動じた自分を反省する、
…みたいなことってあります。

似たようなことで、
例えば、学校の先生のステレオタイプな指示に対して､最初はおとなしく従ったけれど、
だんだんと自分の視野が広がり視座が高まって、そういう指示に唯々諾々と従うことの浅薄さを感じるとか､

「あなたのため」とか「世間では通用しない」とか､そういう枕詞で非難してきていた人に、
一度目は屈したけれど、
その後、その人の近くにいて、
単にそれが、それを言った本人自分のため、自分の利益や自尊心のためであったことに気づいて辟易するとか､
そういうこともありますね。

こうしたことは、たぶん、女性の場合において特に顕著で、
ちょっとうまくいっている女性というのは、
それに及ばない男性からは攻撃を受けやすく、
うまくいっていない女性からは妬まれやすく、

あの手この手を使って、いかにそういう女性がダメか、…ということを言い連ねられて、
一瞬、「自分はダメなのではないか」と迷うものの、

ある程度時間が経過すると､
そもそもそういう人たちに自分をジャッジする権利がないことに気づき、
そこから自分の道をまい進するようになる…という様子をよく目にします。

さて、このように、
一度目は動じるけれど、二度目からは揺らがなくなるとか、
最初のうちはおとなしく聞いていても、だんだんとそこに正当な根拠がないことに気づくとか、
そういうことはよくあるのですが、

案外と、当事者本人の場合、
なかなかそれに気づかず、
その「一度目」や「最初のうち」に無駄に長い時間を費やしてしまうことも多くあります。

とりわけ、
龍高星がある人とか、
日干が土性の人、
東方に散法がある人などは、

少なからず、
「一度目ではなく二度目が本番」
「最初はわからず、だんだんわかる｣
…という傾向があるのですが、
「一度目」や「最初」にかなりの時間がかかることもあるもので、

そういう要素があって、
誰かに何かを言われて動じてしまい、立ち止まっていることや､
身近な人にダメ出しされて迷いの中にいるような方がおられたら、
そもそもその「誰か」や「身近な人」の正当性を疑ってみてもよいのではないかと思います。

なお、こうした要素の有無に関わらず、
何事にも「時間がかかる」人がおられますが、
こうした「時間がかかる」ということが劣っているのかといえばそうではなく、
（そのように断じる人もおられますが）

一見、どんくさいというか、
簡単に相手の策にはまってしまい、いいように扱われてしまうような人というのは、
（それは先に挙げたような事例なのですが）

一見、人生において「損をしている」ように見えて、
実は、その「一見損」に見える経験をとおして深い知恵と洞察力を身に着けているもので、
そういう人たちの本領発揮は、
「二度目」や「後半」となる傾向にあります。

そして、多くの場合、
「最初からうまくいく」人よりも「後からうまくいく」人のほうが圧倒的に大きな成果を出せるものでもあります。

なぜか？
といえば、そこに経験から得た知恵があるためで、
より現実にアジャストした実践的な戦略を得ることができるので、
「後からうまくいく」人のほうが有利なのです。

立春に向けて、
自分の立ち位置の再確認をされるにあたり、
こうした視点も加えられると、気持ちよく新たな年（立春説に基づく年始）を迎えられます。

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