牽牛星という十字架

相談役を勇退した島耕作が、
今度は「社外相談役」に就任されるそうです。

「島耕作」とは、弘兼憲史さんの漫画、『課長島耕作』のあの島耕作のこと。

「島耕作」シリーズといえば「ザ・サラリーマン」漫画で、
実際、高度経済成長期に海外勤務をされたような方は、
涙を流して懐かしがるようなエピソードも多く、
そうでなくとも、
サラリーマンの方なら、一度は読んだことがあるのではないかと思います。

さて、「サラリーマン」の星といえば牽牛星です。

厳密には、
古代中国においては科挙に合格するような文官、高級官僚の星であって、
今でいえば、
「超大企業に務めるサラリーマン」
「エリート的な立場のサラリーマン」
…の星であり、

庶民に寄り添うのではなく皇帝・トップに仕える星なので、
思考としては庶民派ではなく権威主義的な星です。

「島耕作」を見ていると、
一見、庶民派というか、トップ・権威に立てつくような場面もなくはないのですが、
全体としてはまさに牽牛星的な選択や思考を積み重ねており、
やはり「昇り詰めるサラリーマン」は斯くあらねばならないのだろうと感じられます。

『課長島耕作』の頃はまだまだ「エリート的な立場」ではなかったものの、
重要な局面では「昇り詰めるサラリーマン」らしい思考や選択のエピソードがたくさんあり、

そういう選択というのはいずれも、
牽牛星的
=日干が陰陽の和合をもって剋される
=自分がやんわり動かされる

…ような思考や選択なのですが、

それを眺めつつ、
牽牛星というのは、やはりそんなふうに、
「動かされ続ける」
…ことが大事なのだろうと思いました。

「動かされる(日干が剋される)」のみならず、
それを間断なく継続し、全うすることが重要、というか、
継続・全うしなければならない、というか。

なんとなく、
サラリーマンの方なら一度は、
「独立して自由に生きよう」とか、
「上司の顔色を見ながら生きるのは嫌なのでFIREしよう」とか、
そういうことを考えたことがあると思うのですが、

牽牛星などを持ちながら、
独立して自由に自分勝手に生きることが出来てしまうと、
それは「やんわり動かされる」ことがなくなり、
「本来の自分」のエネルギーの構図が崩れてしまい、
その先において命が途絶えてしまうことがあるような印象があります。

いや、島耕作が社外相談役となって、
「会社に動かされる」のではなく「よりスケールの大きな権威に動かされる」ことに向かう、そういう生き方であれば良いのだと思いますが、

それでも、
自分勝手な思いの先に「自分はこれに動かされている」というような手前勝手なこじつけで考えてしまった先に、
「何かに動かされる」ことのない人生に向かってしまうと、
あまり良くないことになるような。

感覚としては、
「いきなり命の危機」になるというよりは、
少しずつ、何かしらが剥がれ落ちていくように損なわれていき、
うまくいかない現実や思いが空回る出来事の先に、存在そのものが損なわれてしまうような印象があります。

これはいわゆる「宿命を逸れている」ときに起こる現象と同じですが、

その意味では、
「なんだか変だな?」と感じたら、都度微修正していくことが望まれるように思います。

…もちろん、他の要素の影響もあるので、
それだけで判断できるものではありませんが、
これはけっこう大事なこと。

それにしても、
こうしてみると、「牽牛星」があってそれを誇らしく思ったとしても、
実はそれがその十字架に裏打ちされているということが分かります。

牽牛星が文官の星でありトップに仕える星であることが分かれば、
そこにはそのトップの信頼を得るだけの継続と心の強さがあらねばならないと気付きますが、

その「動かされる」ことの継続と、
それでいて自分を維持するという強さを共に堅持して生きることは、
見ようによっては十字架を背負っているように見えなくもありません。

もちろん、
真に牽牛星を光らせているような人は、
たとえそれが他人から見れば十字架に見えたとしても、
それが十字架だなどとは思わないと思いますし、
むしろそれをもって喜びとすることができるのは牽牛星しかないわけですが、

逆に言えば、
そういう十字架を背負えない牽牛星は、
牽牛星らしい誇りを得られないということでもあるように思いますがどうでしょう。

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