NEC未来創造会議の未来シナリオと算命学における時代観測

昨年も今くらいの時期に書いた気がしますが、
本日は、サイエンスアゴラでNECさんの未来創造会議が未来シナリオについてお話されていました。

NECさんの未来創造会議と算命学って、まるで関係ないようですが、
実際のところ、算命学の時代観測について考えるときに、未来創造会議の方々が描く未来の姿というのは、とても参考になります。
今回も、例年同様、描かれる様々な未来シナリオがとても興味深かったので、お時間のある方はぜひご覧くださいませ。

さて、特に面白かったのは、「スペキュラティブデザイン」という手法を使って描かれる4つの未来の姿というのが、
どことなく算命学でいうところの時代論と重なる点があったこと。

ちなみに、スペキュラティブデザインというのは、
「未来はこうあるべきだ」と提唱するのではなく、「未来はこうもありえるのではないか」という臆測を提示し、問いを創造するデザインの方法論のこと。

算命学では、時代の変遷というのは、基本的にそのロジック通りに推移する、と考え、
未来というのは循環的に起こる、確定的な未来シナリオがある、という前提で、それに備えていきましょう、という思考になるのですが、

今回NECさんが採用されていたスペキュラティブデザインで描かれる未来というのは、
様々な可能性を「起こりうる未来」として描き、
それをベースに問いや思考を引き出していく、という「プロセス」のための未来シナリオの提示、
既存の価値観をゆさぶり、新たな思考を引き出すという「機能」としての未来シナリオの提示、であったという点、

未来というのが可変的であり、そこに人間が働きかけていく余地がある、という前提での思考をベースにしているという点で、
私にとっては「大切なことを思い出すきっかけ」になったような気がします。

つまり、
算命学における時代観測というのは、起点をベースに物事が規則正しく循環し、その循環の通りに時代は変わっていく、という前提で考え、
それ自体はその通りであるのですけれど(時代論の循環のとおりに時代は動くのは間違いないのですけれど)、
その前提だけで未来を観測・予見してモノを考えようとすると、どうしても、その時代に「合わせていく」という思考になってしまいます。
(時代が動く、それを後追いするような思考になってしまいます。)

そういう思考では、
単に、時代を観測する・時代の変遷を俯瞰する、というようなことはできたとしても、
つまり、その変遷や時代変化の意味を捉えることはある程度できたとしても、創造性というのはどうしても損なわれてしまう。

本来やるべきは、
「次代の変遷を観測する」のではなく、「未来を観測する」ということであり、

未来を観測して初めて、実効性ある対処、新たな時代をけん引する創造性というのが生まれるのだとすれば、
単に時代論の時代推移をなぞるだけでは不十分であり、

実効性ある対処、新たな時代をけん引する創造性に寄与するために「未来を観測する」ということをするときには、
算命学で読み解くことのできる、その時代の変遷・変化の意味に、

実際の起こりうる未来という枠、
只今現在の世界における文化や技術というものをベースとした実現可能性という枠、
…というのを重ねて観測する必要があり、

そういう実態・現実という要素を備えた時代観測・未来観測が出来てはじめて、それが実効性のあるもの、機能的なものになるのだろう、というお話です。

先日、たまたまnoteのほうに、算命学で時代観測(予測)をする場合に重要な指標となる起点の年2つ、というのを書いたところなのですが、
そういう指標・起点をいくつ知っていたとしても、只今現在の時代というのを正確に捉えられていなければ、
恐らくは、その時代観測(予測)というのは不十分かつ不正確なものになるのだろうと思います。

つまり、今自分がどんな時代に生きていて、只今現在の先に起こることが可能な範囲というのを、正確に捉えることなしに、
正確な時代観測というのは難しいのだろう、という至極当たり前のお話なのですが、

今回、サイエンスアゴラでNECさんの未来創造会議を通していくつかの未来シナリオを拝見しつつ、そのことを改めて感じた次第。

以下、余談ですが、
Amazonが箇条書きとパワポを禁止したという記事に関連して、
私のブログが「ナラティブ型」だよね、という指摘をくださった方がいました。

ナラティブ、というのは「語ること」と訳されるそうですが、その方は「情緒的」とか「思考の流れ」というような意味で使っておられたようでした。
算命学的な時代観測でいえば、2018年以降というのは、Amazonの箇条書きとパワポを禁止に象徴されるような、
つまり、ナラティブ型な思考・表現というのに注目が集まりやすいだろうと考えます。

そういう時代変化の枠組みをどう活かしていくか。
しっかり現在の世界の姿を捉えつつ、考えていきたいと思います。

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