陰占で人生戦略、人間関係戦略を考える

陰占というのは現実を示し、そこに心はありません。
言い換えれば、
陰占は現実に起こることを示すので、そこに気持ち、嬉しいとか嫌だとか苦しいとかそういう「心が感じること」は含まれない、ということです。

よく、「陰占の命式はよく分かりません」といわれるのですが、これはそこに体感できる気持ちが含まれない、自分が自覚できないことによります。

気持ちは陽占の方に現れます。
これは陽占が日干(自分)を通るので、陽占のほうは「自分の心が感じること」が示されるためです。
例えば禄存星というのを陰占にみればそれは日干が剋す、日干と同質五行の干ですし、
玉堂星は日干を生む、日干と陰陽違いの干ですね。
そんなふうに日干(自分自身)を通るから陽占の星は自分で認識することができます。

よって、
人に占いをして示そうとするときは、
陰占から話すより陽占からお話しする方が相手は理解できやすい傾向にあります。

さて、そんなわけで、
自分の満足度を考えるときは陽占をみていくのがよいのですが、
「現実の利益」とか「現実有形のものとして残っていくもの」を目指す場合には、自分の気持ちはさておいて、
その「現実」にフォーカスする陰占で計画を立てた方が良いですよ、ということになります。

例えばお金や財産は生活の糧ですし、仕事の発展や活動の名誉いうのは社会における自分の基盤にもなる「有形のモノ」なので、こういうものを目指すときには陰占を活用して計画や戦略を立てた方が良いです。

仕事仲間や取引先であれば、支合や半会がある相手を選んで取り組むことで利益がきちん上がり、しっかりと残っていきますし、
結婚相手との間に支合や半会があると子供ができて子孫繁栄につながります。
(子供というのも、紛うかたなき現実ですね)
ちなみに、結婚してなくても支合や半会がたくさんあったりすると子供ができやすい関係なので、デキ婚などになりがちでもあります。

繰り返しになりますが、
この際、それぞれの当事者の気持ちはまた別である、ということにも留意が必要で、
例えばまったく尊敬できないイマイチな相手であっても支合や半会があると仕事の利益は出てきたりしますし、
まったく好意を度外視した政略結婚などにおいても、相手との間に支合や半会がたくさんあれば子供はたくさんできたりします。

今みたいな「個の権利」や「個の欲求」が尊重される時代にあっては抵抗があるかもしれませんが、個人よりも家、個人よりも国家のほうに重点が置かれた時代においてこの視点はとても有効で、例えば戦国時代の軍師や参謀というのは陰占で人を観て軍の構成や配置を決めるということをしたようです。

つまり、今の時代においても、
何がなんでも稼ぎたい!
どうしても子供が欲しい!
人財産作らないことには自分の人生は始まらない!
などと考える人は、自分の心は棚に上げて、陽占より陰占で人生戦略、人間関係戦略を立てていくのが良いだろうということです。

もちろん、陽占の星の消化をしないことには宿命の消化にはならないですし、そこに満足がなければ長くは続けられないものでもあります。

よって人生を共にする結婚相手を選ぶとか、現行法下ではそうそうクビには出来ない従業員を選ぶとかいうときは、陰占の相性を見て、さらに陽占における魂の一致を見た上でそれを決めていくのが本来は良いのですが、
ある程度短期的に、あるいは何がなんでも、というときの手段としては陰占を使うと良いですよ、というお話です。

先日、自分の目標を書き連ねた紙をお持ちになり、それを実現させていく戦略を一緒に考えて欲しいとお越しになった方がおられました。
年始、私が書いた自分の戦略をご覧になって、自分も戦略を立てたいと思われたのだそうです。
約3時間、一緒に考えて、おそらく今後半年くらい毎に何度かフォローアップもしていくことになるのですが、
算命学をそんなふうに使おうと考える方がおられることを嬉しく思いましたので、
その際にお話しさせていただきましたことの抜粋を書きました次第。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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