納音の効果 自浄作用など

「納音」というのがあります。
律音は同じ干支同士の関係ですが、納音は正反対の干支同士の関係です。

正反対というのは、干支を60個円に並べた反対側の干支ということで、
天干が同じで地支が対冲(十二支を円に並べた反対側)になっています。
納音は「音が納まる」という文字通り、関係や物事が納まって、世界が静寂になります。

律音がスタートだとしたら、納音はゴール。
しかし、そこから律音に向かうので折り返し地点という言い方もできます。
律音で何かをスタートしたとしたら、
納音まではその表側の意味が進んでいき、
納音からはその裏側の意味を知っていくとか、
納音まではガツガツ頑張っていたことを、
納音からは力を抜いて身を任せていくとか、
そんな捉え方もできます。

宿命の中に納音がある場合、
納音の関係にある柱同士のモノゴトが一つにまとまる(音が納まるので)
納音の関係にある柱同士のモノゴトを秘密裏に行うようになる(音がなくなるので)
納音の関係にあるモノゴトについて慎重になる(一番遠い場所なので、未知の世界でもあり)
というような傾向があります。

日産のゴーンさんは日柱と年柱が納音なので、秘密裏に件の悪事を進め、彼にとって天中殺期間である今年、それがバレたというようなことをあちこちで見かけましたが、そんな感じもあります。
しかし、周りで納音の人を見ていると「人間関係に慎重な人」という感じが一般的な気がします。

対冲は分割するという意味があり、
具体的にはモノゴトの破壊とか、停止とか、あるいは分析(細々と分割して精査)、転じて「ゆっくり慎重に進める」というような意味ですが、
納音はその意味が5倍くらいになる感じです。
(60÷12=5なので)

 

後天運でまわる場合、
年干支と納音すると、社会的な環境(会社とか部署とか)や社会的に関わっている人たちが変わるとか、社会的な面での自分の考え方や動き方がそれまでと真逆になるとかの現象になります。
「真逆」というのは色々ですが、先に挙げた「表と裏」とか「能動的と受動的」のイメージで捉えると、自分にとって何を意味するか捉えやすいと思います。

月干支が納音すると、精神的なことにそうした現象が起き、日干支であればプライベートにおいてそのような現象が起きます。

なお、日干支は自分自身も示すので、
自分の人生観の大転換とか因縁解脱が起こり、ある意味では年干支の納音より人生におけるインパクトは大です。

因縁解脱について補足すると、家系にある因縁は、干支や運命と同様に遺伝しますが、その中にはネガティブな因縁もあり、そうした因縁を抜けるための何かしらの試練が起こるということです。
あるいは、自分が本来の宿命と異なる人生を歩んでいる場合、その因縁を抜けて正しい道に戻るための試練が起こったりします。

よく日柱が納音のときに離婚しました、
という話を聞きますが、
それはそもそも本来の相手ではなかったか、
長い結婚生活の中で互いに見合わない関係になっていたかのどちらかです。
よって、納音の離婚はむしろポジティブに捉えて良いでしょう。
そこから向かうべき未来が、おそらく離婚とほぼ同時に見えるはずです。

こうして書くと、納音は怖いもの、と思われそうですが、運命航路におけるある種の自浄作用でもあり、鷹揚に構えて受け止めて良いと思っています。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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