今を生きる

海外ドラマ『ブラックリスト』のレッドの名言。
「あなたがギャンブラーなら、“後”より“今”が強いと理解できただろう。
未来に賭けるのは負け犬のすることだ。」

 

私たちは国策の中で、
「将来に備えよ」
と教育されて育つので、こうした言葉に共感する人は少ないかもしれませんが、
西洋文化圏の金融の世界には割引率というのがあって、
将来のお金よりも今のお金の方に価値を置きます。

 

15年くらい前に日テレ系で放映された『女王の教室』という名作ドラマがありますが、
これはセンセーショナルなカタチで社会の本質と「今を生きよ」というメッセージを切々と説きづける作品でした。
放映当時、PTAなどから苦情が殺到したと聞きますが、
あれほど役に立つドラマはそうないだろうと個人的には思います。

 

「今を生きる」といえば、
その言葉通り『いまを生きる』という今は亡きロビン・ウィリアムズが教授役の映画もあります。
こちらは、新たな視点を見つけ、親のモノサシやら世の中の価値観ではなく、自らの頭で考え生きていくことの大切さを説く内容で、やはり素晴らしい作品です。

 

ミヒャエル・エンデは児童文学者ですが貨幣の研究家でもあって、
彼の作品はもまた、今の大切さを説きます。
その代表作『モモ』は、いい年をした大人たち(場合によっては老人)が「将来のために」働きつつ心を失っていくことを示した作品ですが、
色彩豊かな感動は「今」にしかないと教えてくれます。

 

算命学では、
60を一単位として円のようにめぐる時間の中で、それぞれの時間に意味があります。
天中殺や分離条件のような谷の時期もあれば、
融合条件のような山の時期もありますが、
谷は山のためにあるのではなく、
山も谷のためにあるのではなく、
谷にも山にもそれぞれに意味と価値と役割があり、
やるべきことや学ぶべきこと、経験すべきことがあります。
そうしたことを一つ一つ丁寧に消化していく先に、
自分の人生の本質を見出すことができます。

 

「今」に対する不満から選ぶ何かによって満足が得られることはないし、
「将来」のために犠牲にする今が堅固な足場を築くことにつながることもありません。

大切なのは、
今やるべきことに気持ちを傾け、今できることに全力を尽くすこと。
今に満足を見つけ、今を謳歌すること。

 

先日、「天中殺中なので大人しく」と自分で書いたことについて、
それを「大人しく我慢する」と受け取られた方がいたのですが、
「大人しく」やるべきことをする時期であるということであって、
先々のために「我慢する」ということではないんですよ、ということを書きたくて、つらつらと書いてみました。

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Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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