時代論の流れについての概説

久しぶりに時代論について整理しておきます。
時代論は国の年齢単位ですが、組織や家族にも応用できます。

時代論において、日本は現在は経済確立期。
大企業や政治家が元気な時代です。

それがどんな流れの中でどのような役割の時代なのかを知っておくと、
人生の対策、仕事の対策、経済基盤の対策を打つことに役立ちます。

 

何度か書きましたが、国や組織の年齢単位は10年単位です。

①まず、国や組織が起こると西から動乱期が始まります。
人間が集団を作ってその集団・組織が成長・発展していくその始まりには動乱がある、そんな時期。

 

②その後、北から東に向かう教育期。
集団は動乱・混乱を経ることで学ぶ必要を体験的に知ります。
集団として機能するには?
組織として発展していくには?
そうしたことに関する学びが百家争鳴するのが教育期の前半です。
そしてその半ばに大事件(大災害)が起こる。
北から東に向かうちょうど真ん中、北東の鬼門を通過するときに起こるその大事件を鬼門通過現象といいます。(東日本大震災は鬼門通過現象と捉えられています)
その大事件を経て、百家争鳴していたその学び・思想は一つの方向を得ます。
国(組織)を揺るがす大事件を契機として、国全体・組織全体が危機感をもってまとまる、ということです。

 

③鬼門通過現象を経て、方向を得た集団の学びは勢いをもって発展に向かいます。
向かう先は経済確立期。動く方位は東から南。
華やかな場所に向かって集団は元気になります。
元気になり始めた集団を率いるのは、集団の中でも上位にいる人たち。
例えば大企業、政治家、著名人などが集団を牽引します。

④発展を、集団の中位・下位の人たちが実感できるようになるのは、経済確立期の後にやってくる庶民台頭期。
南から中央へ向かう時代です。
大衆的な時代といわれ、様々なもの、良いものも悪いものも台風の目のように引き込みながら、集団は熱狂に包まれます。
(いわゆるバブル期というのはこの庶民台頭期でした)
中小企業や個人というのは相対的にルールに無頓着なもの。よって世界は熱い混乱を経て無法地帯へと向かいます。

 

⑤その無法地帯にメスを入れる時代が次の権力期。
方位は中央から西、公権力が元気になります。
公権力は、今まで狂乱の中で熱く盛り上がっていた大小の集団を引き締めにかかり、
大衆を率いた政治家も、やりたい放題だった個人も一気に元気がなくなります。
混乱は収まりますが、そこに吹く一陣の風は冬の到来の知らせ。

公権力が元気になると、集団は活発さを失い、経済活動は縮小します。
税金は増え、規制ができ、監視管理が心身に重たくのしかかります。
そして集団は貧しくなります。
※どこかで「公務員が元気になる」という書き方をしたのですが、「公権力」が正しいです。公務員も個人としては生活が厳しくなります。

管理統制が続く時代、
自由な活動が制限される時代、
それが権力期。
この時代は、
政治家が正しく機能しない時代、
国民と政治家が断絶する時代でもあります。
(これはちょうど、中曽根内閣が退いた後、竹下内閣から森内閣くらいまでのこと。
厳密には橋本内閣までですが、「政治家不在」というから森内閣くらいまででしょう、と思います。
ちなみに、ご存知の通り森内閣の次の小泉内閣は国民の熱狂の元で迎えられ、公権力と戦いましたね。)

なお、この時代は価値観が単一化します。
例えば「高学歴がいい」とこぞって学習塾にいったり、
「三高がいい」と三高の男性に群がってみたり、といった感じです。

 

⑥そんな権力期が進むにつれ、そうした矛盾に対する怒りが高まります。
狂乱の時代の反省だとしてもこれは行き過ぎ!
これでは人間らしい生き方ができない!
…ということで、反権力の狼煙が上がり、時は動乱期へ向かいます。

 

動乱期といえば①でした。
しかし今回は二度目の動乱期。
そして最初の動乱期が陽の動乱期であったのに対し、二度目の動乱期は陰の動乱期です。

長くなったので、続きは改めます。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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