算命学を学んでいて「沼にハマったような気持ち」になったら?東洋と西洋の思考の違い

以前ご相談を承った、算命学を学ばれている方から、

『算命学に興味を持ち始めた頃は、「あの人はどうしてこうなの?」「私ってどうしてこうなの?」ということの理由がどんどん納得できてスッキリしていたのですが、次第にわからないことの方が増えて、沼にハマったような気持ちになっています。」

というメールをいただきました。
この気持ち、あるあるで、私も何度もそういう「沼にハマったような気持ち」になったので、とてもよく分かります。

そもそもですが、
算命学というのはシンプルにして複雑な学問で、
ポジティブに言えば、一つの要素が無限の活用につながる面白い学問なのですけれど、
ネガティブに言えば、一つの要素に多元的な意味があり複雑怪奇な学問、という面もあり、
粛々と一本道を歩むように学んでいると、どこかで必ず「沼にハマったような気持ち」になるものだろうと思います。

けれど、本質的なことを言えば、
そもそも東洋の思考というのが多元的、複層的な事象を一つに統合して捉えるように出来ており、
日本人も、わずか100年ほど前にはその東洋の思考を当然のモノとして日常的に活用していたことを思えば、
「難解」なのではなく、単に「慣れ」の問題なのではないかと思います。

戦後GHQの支配下に置かれて以降、現代の日本人の思考というのは西洋的なものとなっています。

西洋的とは、直線的、二元的にしてシンプルかつ明快、
東洋の思考は円環的であり、多元的にして複雑かつ矛盾をはらむといえ、
西洋的思考のまま算命学を学び続けていると、どこかで必ず限界がくるように出来ているように思います。

ここで細かく論じることはしませんが、
「沼にハマったような気持ち」を脱するにはどうすれば良いか?ということの答えを挙げるなら、

矛盾であると感じられる場合、
次元の異なることをうまく咀嚼できない場合、
多元的過ぎて思考が及ばないと感じられる場合、

というのはとりあえず、
その「消化不良」な感じをそのまま放置して、先に進んでしまう、というのがその答えであろうと思います。

矛盾や次元の異なりというのは、「現実だけを眺めて生きている」人間には到底理解することはできません。

東洋思想より西洋思想のほうがシンプルかつ合理的であるその理由は、
西洋思想というのが基本的に「有形の現実」だけを前提にしているからであり、
現代の日本人は、そういう思考をもって生きています。

けれど算命学、というか東洋思想というのは、
「現実の裏側」「有形と無形の循環」を前提にしているので、
西洋的思考で理解しようとすると、たいへんに混乱するというか、堂々巡りをしているような気分になります。

東洋思想では、
その「堂々巡り」こそが実は本質、
つまり、そうやって物事が循環している状態こそが本質であり、

その、ある意味では「結論のない状態」、循環しているプロセスこそが「結論」である、ということが、
東洋的な思考をもってすれば理解できるのですが、

西洋的な思考で物事を考える場合には、「答え」や「ゴール」をもって「結論」という価値観なので、
良く分からない、ということになるわけです。

なお、西洋思想においても、弁証法的思考は東洋の循環思想に近く、
否定したものを捨てるのではなく高い次元に活用していく「アウフヘーベン」の考え方は、東洋思想における一極二元の考え方に近いと思います。

但し、アウフヘーベンは19世紀初頭にヘーゲルが唱えたものであり、東洋思想の一極二元とは実に4000年以上の歴史の違いがあるわけで、
算命学を学ぶのであれば、西洋的な思考をいったん手放して、大人しく東洋的な思考に推参するのが良いのだろうと思います。

さて、ではそういう堂々巡りになったときにどうするのか?
東洋的な思考を手にするにはどうすれば良いか?

ということについて私が実践しているのは、

①疑問を保留して次に進むか
②六十干支の意味の学び直しをするか

のどちらかです。

疑問を常に解決しながら進もうとするといっこうに進めず、中断してしまうことにつながります。
良く分からないと思いつつも前に進んでいれば、そのうち「なるほど」と疑問が氷解するような瞬間がやってくるものですし、

前に進む気になれないときには、最も基本的なところ=六十干支に立ち戻り、前に進む気持ちになるまでとりあえずその基本にとどまります。
六十干支は立ち戻るたびに発見があるもので、できれば定期的に立ち戻るべきですが、
それがなかなか出来ない中でも、「壁にぶつかったら六十干支に戻る」と決めておけば、きちんと学び続けることができます。

ちなみに、別に六十干支に疑問の答えがあるわけではありません。
ただ、疑問を保留にできるくらいに気持ちが落ち着くまでは、とりあえず六十干支に戻って勉強しているといいですよ、ということです。

算命学をまじめに学んでいる方には、
「勉強を休む」ということはお勧めしません。

一日、二日休むだけでも、算命学的思考が損なわれるもので、二週間など休んだ日にはもはや戻ってこれないんじゃないかな?という気がします。

私は学び始めて一日も休んだことはないので、分かりませんが、
継続することで「東洋思想的思考」が身につくものでもあり、壁にぶつかっても何かしら勉強することが大切と思います。

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