組織における「婉曲」のスキル

「婉曲」という言葉を小学校の高学年くらいで習います。

ぐぐると、
「表し方が、遠まわしなこと。露骨にならないように言うこと。」
と出てきます。

 

子供の頃は、
というか、社会人になってかなり経つまで、その婉曲を使う価値がよく分かっていませんでした。
はっきり言えばいいのに。
みたいな。

 

しかし、
偉い人ばかりに囲まれて、
一方でバックよりミドルな企画推進系の部署にいると、
「婉曲」の価値、
「婉曲」の効果、というもののすごさが分かります。
そして、否応なく「婉曲」のスキルが身につきます。

 

いまいち非効率だと思っていたのですが、
婉曲の「婉」の字の意味が、

 

①うつくしい。しなやかで美しい。しとやか。あでやか。「婉然」「婉転」「妖婉(ヨウエン)」
②したがう。すなお。「婉順」「婉容」
③おだやか。ものやわらか。
(漢字ペディアより)

 

とあるように、
上手に使うことができれば、
高位の宦官のようにしなやかに艶っぽく、そして有無を言わさずコトを進めていく上で、とても有効なスキルです。

 

まぁ、とてもそのレベルではないですが、「婉曲」のキーワードでそのレベルを目指すのも良いかもしれません。

 

牽牛星とか、
北の車騎星などは、
婉曲のスキルを得て光る星だろうと最近思います。

戦略軍略を駆使して、
文官の道を切り開いたり、
参謀として活躍したりするには、
婉曲のスキルは不可欠です。

 

そうでなくても(星にかかわらず)、
組織の中で何かを進めていくにはかなり有効です。(今更ですが)

 

偉い人たちに、
いかに意図を伝え、それに基づいて動いてもらうか、
(動かざるを得ないと感じてもらうか)
描く戦略軍略を実現するか、
ということをこんこんと考える日々を通してハタと気づいたのは、

こうしたやり取りの中にも、
陰陽があるということです。

 

ダイレクトに言えば(陽)、
ネガティブな反応(陰)を誘引します。
目的を果たす(陽)ためには、
困ってる(陰)とか大変な状況(陰)をもってするほうが話がまとまります。

 

状況や相手との関係、力関係によって、
何が陰で何が陽かは入れ替わりますが、
こういう視点は有効だろうと思います。

 

処世術の最高峰が『菜根譚』にあることからも、陰陽のバランスの大切さは、
いたるところにあるのだろうと感じます。

 

その意味では、
陰陽を見極める観察力というのが、
何よりも大きな意味をもつとも言えるかもしれません。

 

算命学が最も尊ばれていた時代、
その環境というのは皇帝を頂点とする宮廷およびその軍隊で、
そこで活躍していた人たちは、
察するに、
「自分の才能に迷いのある人たち」ではなく、
「自分の才能を揺るぎなく顕現させている人たち」です。

 

そういう人たちが、
衝突することなく各々の才能を顕現させていこうとすれば、
やはり婉曲のスキルが必要だっただろうと思います。

 

動乱期は別ですが、
平和な時期とか、
比較的平和な事業環境にある組織の場合は、
婉曲のスキルが大切なんだろうと思います。

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Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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