時計、手帳というトラップ

空海というのは、言わずと知れた真言宗の開祖であられるのですけれど、
この人がその基盤となっている密教を極めることができたのは、

『延暦12年（793年）、大学での勉学に飽き足らず19歳を過ぎた頃から山林での修行に入った。
24歳で儒教・道教・仏教の比較思想論でもある『聾替指帰』を著し、俗世の教えが真実でないことを示した。この時期より入唐までの空海の足取りは不詳。(Wikipedia より)』

…とある、この時期にその秘密があるのだろうと思います。

故船井幸雄先生が、「俗世の情報につかっていると本当のことは分からなくなる」
…というようなことをどこかで書いておられましたが、

それと同じような意味で、
この山林修行で俗世から隔絶された環境に身を置いた、そのことが、
真理に辿り着くことにつながったのであろう、ということです。

算命学というのは、とてもロジカルな学問なのですが、
算命学・東洋思想における「ロジカル」というのがとても立体的であるがために、
平面思考に慣れた現代の思考の感覚では、「ロジカル」に感じられない、という方がけっこうおられます。

なぜ、現代が「平面思考」なのかといえば、
整数に代表される直線的な世界観、
＝時間を整数の連続で捉える世界観
＝時間は過去から未来に向けて永遠に流れ続けるという世界観
…がベースにあるからで、

そういう感覚でもって算命学を眺めると、
「分かった気がする」ところで止まってしまい、
本質的な理解に辿り着きにくいように思います。

龍高星というのは立体思考を生まれながらに持つといわれますが、
これは、そういう「整数」のような人工的な尺度ではなく、

その体験に基づいて世界を捉える知恵を持つ
=体験的な尺度でもって世の中を捉えることができるからなのですが、

実際、自然の世界というのは直線的なものは何一つないわけで、
空海のように何年も「直線的なものがまるでない自然の中」に身を置く、ということをすれば、
「円環的な世界観」を身に着けられるのかもしれません。

そして、それを身に着けられたら、
算命学を編み出した古代人の思考・感覚に近づくことが出来、
すっきりと、算命学を理解できるのではないか。

…逆に、それなしには本質的な理解にはたどり着き得ないのではないか、
ということです。

これは帝王のみが知る「暦の秘密」にも通じるお話。

なお、私は、今の大運に入って腕時計をしなくなり、
手帳による自己管理をやめていたのですが、
なんとなく、それは「算命学の理解」という意味では、
その「時計を使わない」「手帳を使わない」というのが、欠かせないポイントだったのだという感じがしています。

今は AppleWatch を使っていますが、時間を見ることはほとんどなく、
ほぼ日手帳は使っていますが、予定表として使ってはいません。

新しい手帳が本屋さんに並ぶシーズン、
手帳の使い方を見直してみるのも良いかもしれません。

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