金烏玉兎庵

散法は人生の新陳代謝 「刑」の話

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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位相法に「刑」という散法があります。
読んで字のとおりというか、
その「刑」の字から連想されるとおり、ケンカや諍いを意味します。

衝突は「対冲」のほうに入るイメージで、「刑」の場合は、「不協和音」というイメージです。
「害」は不調和な流れであるものの割と静的、
「対冲」がガチンコの衝突で動的だとすれば、
「刑」はモヤモヤした不協和音、ケンカはするけどバシッとやっつけたりやっつけられる感じはない感じ。
伝わりますでしょうか。

さて、この「刑」には4つの種類があります。
①旺気刑:子と卯
自分と一番近しい人との不協和音。
近しい人とは、配偶者や恋人、親子や親友など。
そうした人たちとのケンカが発生しやすいです。

②自刑:辰と辰、午と午、酉と酉、亥と亥
自分に対する不協和音、心の中での葛藤が発生しやすいです。

③生気刑:申と寅(対冲でもある)、申と巳、巳と寅
※寅を起点に2個おきの3つの支
年下との関係における不協和音。
年下とは、子供や後輩、部下など。
そうした関係の人とケンカが発生しやすいです。

④庫気刑:丑と未(対冲でもある)、未と戌、戌と丑
※未を起点に2個おきの3つの支
年上との関係における不協和音。
年上とは、親や先輩、上司など。
そうした関係の人とケンカが発生しやすいです。

位相法の「刑」は、宿命にある場合にはその人の性質を示すといわれます。
例えば自分の命式の中に丑と未があれば、生まれながらに年上の人とはあまりうまくいかない性質があります。
そして、どんな局面においてその諍いが起こりやすいかは刑のある場所でわかります。
例えば、年支に未、月支に丑があれば、
モノゴトのスタートにおいて目上の人と諍いが起きて邪魔をされやすい、
というような現象になります。

宿命の中に上記の組み合わせのある人は、自分の中にその傾向があることに気づくと思いますが、
傾向が自覚できれば対策が立てられます。
例えば、庫気刑があるなら、年上の人に囲まれた年功序列の会社ではなく、もっとフラットで若い会社を選ぶ、などです。

なお、宿命に「刑」がなくても、
十二支はすべて何かしらの刑には必ず該当します。
なので、
後天的に十二支が順番に巡ると、誰しもがどこかで必ず刑が成立し、不協和音を引き起こす、ということ。
一般的には、年支、月支、日支それぞれ別の地支なので、
誰しもが、3種類の不協和音のパターンを抱えていることになります。
(同じ種類の支を複数持っている場合は、不協和音が起こるタイミングとしては一度に集約されますが、その分大きなな不協和音になります。)

自分がどの刑に該当しているかを見て、
自分がどんな局面で不協和音を起こしやすいかを事前に知っておくと良いです。

刑に限らず、害にせよ、冲にせよ、散法は「凶」といわれがちで、
周りの方にも「あまり嬉しくない」といわれるのですが、
これは宿命になくても誰しもが避けては通れない道。
私は、避けて通れないなら、ポジティブに活用することを考えるのが良いように思っています。

散法は基本的に、人生の新陳代謝を促します。
その性質を知って、うまく活用するのが良いです。

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