金烏玉兎庵

「訊かれないことは答えない」という流儀

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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「このタイミングでは動かないほうがいいのにな」
…ということがあっても、
訊かれない限りはそれを伝えることはしないことにしています。

どれほど親しい人であっても、
訳知り顔であれこれ口を出すことは人生に土足で踏み込むような印象を与えるもので、
大事な関係を損なうことになりかねないからです。

前に書いたことがありますが、
それは家族に対しても同様で、
問題がありそうなときには間接的にサポートするとか、
別の選択肢の提案をするとか、
そんなふうに対応することにしています。

さて、ここ数カ月、親しい友人が転職活動をしているのですが、
気になって調べてみれば、その友人は、今年、いくつも天剋地冲がめぐるタイミングであることに気づき、
果たしてどうしたものかと考えあぐねていました。

もちろん、完全破壊の先の再生というのもあり、
例えば過去をまるで断ち切って整理するための転職で、
そこに根付く前提でないなら考え方によってはアリかもしれませんが、

過去の経験を活かした先の転職の場合、
ご相談を頂いていれば、全力で止めるべきところ。

けれど、そうやって考えあぐねつつ、
会うたびにそれとなく動向などを伺っていたら、
その友人のほうから「あんまりよくない時期なんでしょ」、と指摘され、たいへん驚きました。

訊けば、「良い時期ならそういうそぶりを見せるのに、それがないから」とのこと。

私の友人は頭がいいというか、勘が鋭いというか、いわゆる「敏い」人が多いのですが、
なるほど、この人はそういう観察からきちんと察知する人だったのか、
…と、驚くとともに安心した次第。

もっとも、それで転職をやめるかどうかは分かりませんが。

さて、ここで「訊かれないことは答えない」ということの是非について整理しておくと、

算命学の担い手は「自然の法則=神のルール」を学ぶ者ですが、
「神」ではないので他人に介入してはいけない
…ということは、算命学を学び始めたときに先生から厳命されたことであり、
その姿勢は厳守すべき、と、私は考えています。

さらにいえば、
戌亥天中殺というのは地支分類において「北方干支」に分類されるので、
「智」の世界に役目を持ち、
前線(実際に活動している人たち)を支える、世の中から一歩後退した場所に居場所があります。
そういう立場・在り方を堅守してこそ立場が安定し、道が開け、運が上がるということでもあります。

考え方はいろいろとあるとは思いますが、
「ご相談」をいただいた場合は別にして、
戌亥天中殺という道筋を生きる場合には、その役目と立脚点を損なってはいけないだろうと考えています。

そもそもですが、「一歩後退した場所」であってこそ見える世界というのは確かにあります。

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