金烏玉兎庵

「風流(ふりゅう)」と「個」に根ざした生き方について

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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「風流(ふうりゅう)」
…というと、現代に生きる私たちは、

「上品な趣があること。みやびやかなこと。」
…というような意味をイメージすると思うのですが、

中世以降、明治期くらいまでの日本における「風流(ふりゅう)」とは、

個性を際立たせる、
人目を引くような、
華やかで美しい趣向を凝らす、

いってみれば、

人間としての存在感を全的に美しく顕現させるための美意識の発揚であり、
未来を創るビジョンを在り方によって壮大に示して見せる、魅せるための運動のようなものを指す言葉でした。

つまり、上品というよりは奇抜、
雅やかというよりは斬新な、

「新たな世界を創造する」こと、
「新たな自己の発現・発揚を促す」ことにつながる動きがその「風流(ふりゅう)」であったといえます。

最近は、
「誰かと同じ」であること、
「空気を読んで足並みをそろえること」に安住する生き方、
「みんなで一緒に何かをする」ことを志向する人、

…というのが多いですが、

それとはまるで対極の在り方をもって「風流」であったのだな、と思います。

古語というのは、
元々の意味と現代の意味が逆転しているものがけっこうありますね。

こうした「風流」というものに取り組むことは、

自分の個性、自分にしかない魅力や才能をきちんと認識すること、
他人とは異なる特別な個性を踏まえて自分を美しく演出すること、

…と言い換えることもでき、

つまり、中世以降、明治期くらいまでの時代というのは、
「個」にしっかりと取り組むこと、
「個」にしっかり根ざして生きること、

…が推奨されたのであろうということです。

逆に言えば、その時代というのは、

そうやって「個」をくっきりと持ち、
「個」を鮮烈に発揮なければ、

生きていくことが出来ない、
文字通り命を維持し残していくことが出来にくい時代時代であったということかもしれません。

いや、本質的な意味では、現代も、その「個」をくっきり持たないことには、

本当の意味で「生きる」とか「存在感を持つ」とか、
そういう「奴隷ではない生き方」をするのは難しいような気もします。

…「奴隷」などと書くと言葉が強いですが、
30代、40代になって、自己の本質を発揮しない生き方というのは、
ローマ時代の奴隷に等しいのではないか?と思うわけです。

さて、その「風流(ふりゅう)」のことをなぜ思い出したのかといえば、
このところ気になってウォッチしている、女子大生2人(昨日、一昨日と書いているあの2人)が、
ともに X JAPANのガチンコなファンであったことを知って相当びっくりしたのがきっかけでした。

彼女たちも恐らく「個」をくっきりと持ち、「個」を鮮烈に発揮している人たちなのだろうと思うのですが、
その拠り所?というかお手本?の一つが、XJapanなんじゃないかな?ということです。

そもそも「ビジュアル系」って、
個性を際立たせる、
人目を引くような、
華やかで美しい趣向を凝らす、
という、先に挙げた「風流(ふりゅう)」に等しいですよね。

ちなみに、

自分の個性、自分にしかない魅力や才能をきちんと認識すること、
他人とは異なる特別な個性を踏まえて自分を美しく演出すること、

というのは、自分の陰占を踏まえ、陽占をくっきり生きる、というのと同義です、多分。

しばらく「風流(ふりゅう)」を生きているひとを観察して検証してみようと思います。

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