菅原道真公といえば「学問の神様」で有名ですが、
平安時代の「学問」というのは幅広く、
その中には、占術や呪術などの秘法も含まれていたそうです。
そもそも、宮中行事やお作法というのは、
基本的にそういう秘法の裏付けがあるものなので、
いわれてみれば「当然」といえるだろうと思うのですが、
つい最近まで、受験勉強などの「学問の神様」と思っていたので、
「こっち側の人だったのか！」と、ちょっとドギマギしてしまったというお話です。
いわゆる「学問」というのは算命学でいえば北方の能力分野ですが、
北方ということは、
「目上から生じられる」
「目上から助けられる」
ということであり、その延長線上には、
「神様からのお告げを受け取る」とか、
「古来の秘法を受け取り継承する」とか、
そういうことも含まれている、ということなのだろうな、と思い至りました。
ちなみに、私は吉備真備公の出身地（吉備郡真備町）で生まれましたが、
吉備真備公は、元々学者の出であったのが右大臣まで上り詰めたお方であるのと同時に、
陰陽道の祖ともいわれており、占術や呪術といった秘法に長けた方だったといわれています。
一方、菅原道真公も学者の出の方で、同じく学者から右大臣まで上り詰めた方。
日本史上、学者から右大臣まで上り詰めたのはこの菅原道真公と吉備真備公の２人しかいないので、
ともに「占術や秘法に長けた方」であることにもう少し早く気付くべきであったと思うのですが、
それに気づかなかったのは、
菅原道真公が私にとって、吉備真備公と同じくらい「身近な存在」であったからであろうと思います。
というのも、
私の父方の実家が九州で、小学校を卒業するまで毎年お正月には、毎年、太宰府天満宮に参詣していて、
当時の私の神様は、菅原道真公であったからです。
吉備真備公と菅原道真公に縁深いことをもって、
自分が「占術や秘法」を会得することができるなどということは我田引水が過ぎ、おこがましいお話ですが、
それでも、
自分のルーツにこうした方々がおられることは自分にとって心強く、ありがたいことに違いありません。
自分が学びを進めていくうえで、「理由」や「背景」というのを捉えたその数だけ、
確かな足場を得られるように思います。
これは、「自分の住む町」の「良いところ」を見つけて集めたその数だけ、
その町に根っこを張ることができるのに似ています。
なお、菅原道真公というのは、実は「祟り神」としても有名で、
理不尽に失脚させられ、太宰府において失意のうちに没した先に、祟り神となり、当時の人々を怖がらせたといわれます。
こうしたその祟りを鎮めるために日本全国に菅原道真公をまつる神社（「天満宮」とつくの神社）が造られたのだそうです。
一方、吉備真備公も、同じように理不尽な失脚の憂き目にあっておられますが、
その後、左遷された後に再度、唐にわたり、帰国して大宰府で実績を積み、70歳を超えて中央官庁に返り咲いたのだとか。
現世利益か後世の評価か、最終的に得たものは異なる２人ですが、
どちらにせよ、日々の研鑽を重ねていくことの先に開けるものがあるということが感じられます。
引き続き、精進しようと思います。
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