金烏玉兎庵

転職における優先事項

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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このところ、オンビジネスの知り合いがけっこう転職されています。

日経にも、「転職で収入増37%」と見出しが出ていました。

 

先日ご挨拶に来られた方の雇用条件を伺ったところ、
年収1200万円→1600万円、10年固定で退職金なし。
10年?と思うとこですが、その方は50歳なのでそれもありです。

 

金融業界はリーマンショックの頃、超高収入で転職した人が1年でクビになるというのが多発したのでこういう10年、みたいな変則的な雇用条件が出てくるのかもしれません。

 

だいたい12年ごとにやってくる売り手市場。
前回の2006年〜2007年も、新卒採用しかほぼ取らないような超優良大手企業が中途採用をしていたり、
女性を取らないような男性社会の大企業が女性に総合職の、門戸を開いていたりしました。
今も同じような状況で、まさに「歴史は繰り返す」を体感しているこの頃。

 

転職というのは、
いろんなことをワープするには割と有効です。
年功序列を飛び越えたり、
年収水準を飛び越えたりできます。

しかし一方でワープする歪みもあり、
組織文化に馴染むのに時間がかかるとか、
採用担当者は好意的でも同僚には敵視されるとかいうことがありますし、
だいたい転職してしばらくは様々にエネルギーを使うものでもあるので、
転職するならそのあたりも織り込んでおいた方が良かろうと思います。

 

長年過ごし、成功も失敗も知っている人に囲まれた職場というのは制約もつきまといますが、
融通は利くし、社内力学が分かっていることのメリットも多くあります。
力配分を自分の裁量でできるとか、
年中行事に応じた計画や行動が身についているとかは、目には見えにくいですが転職に当たって一度失う財産の一つと思います。

 

最近は、働き方改革で副業も推奨される方向なので、むしろそちらの道を模索した方が安心安全な印象もあります。

 

個人的には、
30歳の東方納音くらいまでは世の中を知るという意味でお金のため、スケールアップのための転職もよいとは思いますが、
それ以降は自分のコアなところから希求する世界に向かうことを第一義として職選びをする方が良いと思っています。
(その上で、年収増、スケールアップの転職なら良いと思います。)

 

連結従業員数で日本で3本の指に入る大企業で働いている方が、40歳を過ぎて「上司に認められたい」ということを年始の目標にしておられたのですが、
大企業や大組織というのは、個人の人生を組織が取り込むことで成り立っています。
意識していないと、まったく逸れた人生に向かうことにもなる危険地帯という側面もあるので注意が必要です。

 

なお、50歳といえば、多くの人にとって
人生を見直す時期でもあり、
宿命から逸れている場合はそれを修正できる最後のタイミングである可能性もあるので、さらによくよく吟味した方が良いだろうと思います。

 

お金をどれだけ稼いでも、
墓場までは持っていけません。

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