金烏玉兎庵

知命と立命に向けてやるべきこと

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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安岡正篤先生の『知命と立命』を読み直しています。
この本では、推命学についての記述もあり、命を知るにはやはり推命学、算命学が大事なのだと改めて感じます。

なお、「知命」とは自分の命(めい)を知ること、自分の天命、使命を知ることですが、「立命」とは天命を全うすることをいいます。
つまりこの本は、自分の天命を知り、天命を全うすることについて説いた本といえます。

この本において安岡先生は、命(めい)について、

『それは絶対的な働きであるけれども、その中には複雑極まりない因果関係がある。
その因果関係を探って法則をつかみ、それを操縦することに寄って人間は自主性を高め、クリエイティブになり得る。
つまり、自分で自分の命を生み運んでいくことができるようになる。

我々が宿命的存在、つまり動物的・機械的存在から脱して、
自分で自分の運命を創造できるか否かは、その人の学問修養次第である。』

と書いておられます。

こうした文章を読むに、
算命学で自分の命式を知り、それをもって知命に役立て立命に活用することを目指すにしても、
そこにある因果関係を読み解き、本質的な意味で活用していくには、
試行錯誤の中でその示すところの意味と、それぞれの要素が作用するその法則をつかみ、
さらにはそれを自らの意図と目的をもって操縦してみて効果を見、
実践と検証を重ねながら世の中に発揮していくことが必要であるということが分かります。

単に、命式を読んでなるほど、と思う、それだけでは、とても「知命」ということの入り口にも立てないということだろうと思います。

さて、昨日、大阪府知事の吉岡知事が自衛隊への応援要請をして、自民党の「ヒゲの隊長」に、自衛隊は便利屋ではないと苦言を呈されていました。
吉村知事というのは、壮年期天極星の方ですが、
壮年期身弱の方というのは、どうしても他人に対する要望・要求というのが浅薄(せんぱく)に感じられるというか、
言葉に重みが感じられずに上滑ってしまう感じというのがあります。

経歴も立派、顔もイケメンなのに発言の迫力やインパクトがなく、人を動かす力が感じられないのは、単に若いからというわけではないだろうと思います。

思うに、
例えば吉村知事にとっての天命というのが政治だとして、その道は正しいとしても、
その政治家としての在り方において「発言のインパクトがない」ということを知り、それをどう補っていくかを考えるとすれば、
それが「因果関係を探って法則をつかみ」ということなのだろうと思います。

自分が天命を知ってそれに向かう道は決して一本道ではありません。
うまくいかないこと、まわりから違和感を持たれることというのは往々にしてあり、
そういう事象の一つ一つを拾いつつ、いかにその「うまくいかないこと」に処していくかを考えていくことが「因果関係を探って法則をつかみ」ということにつながるのだろうと思います。

算命学というのを活学として、世の中で活躍すること、立身出世に役立てていくということを本気で考えるなら、
単に命式を読み知る、ということでは足りず、
その示すところをいかに本質的なカタチで発揮していくかについて試行錯誤を重ねることが不可欠であり、
その先において本質的な天命への道、天命を果たして生きる在り方があるといえます。

命式を知って一安心、という方がときどきおられますが、
命式を知ったらそれに沿ってやってみる、それに応じて生きてみることが必要です。
そうでなければ、命式も絵に描いた餅に他なりません。

ちなみに、壮年期身弱の人の活躍の道というのは、以前、菅総理について書いたところで触れたとおり、基本的には「半身の活躍」にあります。
つまり、自分がオモテに出るなら意図は他人に任せる、自分の意図を通すなら自分はウラにまわるのが良い、ということです。

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