金烏玉兎庵

小室哲哉さんにみる成功と発展と代償

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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一番やってはいけないタイミングで何かをしてしまう人というのがいます。

なぜそこでその選択?とか、
何もそこでやらなくてもいいのに…みたいな。

 

そういう人について、
ハタから見れば思慮の浅い軽率な人であるかのように思えたりするのですが、
実は命式的にそういう傾向のある人というのもいます。
それもかなりの割合で。

 

例えば天中殺と半会や支合が重なる人というのはそういう人で、それと意識しておかないとけっこうな確率で「ダメなタイミングで大きくアクションを起こす」ということを無意識に行い、その結果として怖いことになったりします。

 

どういうことかといえば、
天中殺の2つの支、
例えば寅卯天中殺の人の場合の寅と卯が宿命にある3つの十二支と半会とか支合になっている場合、
天中殺に半会や支合が重なるということが起きるので、
意識しておかない自然の気の流れに沿って、本来天中殺中においては避けるべきとされる、新しいことを始めたり、大きく動いたり、ということをしてしまいます。

 

例を挙げると、小室哲哉さんは、次のような命式です。

戊癸戊
申亥戌

この人は寅卯天中殺なので、
寅年の天中殺では東が半会し、さらに中央が支合になります。
卯年の天中殺では中央が半会し、さらに東が支合になります。

 

半会は物事の前進や広がりを示すので、様々な人と出会ったり取り組んでいることが発展するタイミングで、
支合は物事が盤石に堅確に結合することを示すので、堅実な前進や盤石な関係を得られたりするタイミングなのですが、
こういう命式だと、自然な流れで天中殺中にコトを起こし、何かの基盤を作るのがデフォルトのパターンになります。

前に、人生は同じことが繰り返し起こるループである、ということを書いたことがありますが、
この人は、天中殺でコトを起こし基盤を作るというパターンがループする、ということです。

 

実際、小室さんは1975年卯年の天中殺で事務所に所属しプロデビュー、
1986年寅年の天中殺で渡辺美里さんへ提供した「My Revolution」が、第28回日本レコード大賞金賞。
さらに香港🇭🇰で100億からの資金を突っ込んで単独事業を開始したのも1998年寅年の天中殺(このときの会社名は「ロジャム/ROJAM」、「Major」を反対にしたらしいのですが、それもダメです)、
極めつけは詐欺事件後、復帰(楽曲提供などの活動を開始)したのも2010年寅年の天中殺…と、ことごとく重要なことを天中殺のタイミングで起こしています。

 

何もそこまで天中殺にぶつけなくても…
と思われそうですが、
こういう天中殺の2年間が2年間とも半会と支合がダブルで重なるような命式なら、致し方ないとしか言いようがないとも思います。

 

もっとも、天中殺は枠のない期間なので、
天中殺で動く=枠のない活躍に向かえる、その結果としてあのような大きな活躍ができたとという見方もあり、
(それが宿命を超えて(逸れて)大きなものとなった場合、その反動として最終的にその活躍を帳消しにするようなアクシデントに見舞われたり、家族に犠牲者を出したりするのですが)、
あの音楽業界を席巻するほどの活躍ができたのは、こうした天中殺に大きく活動する命式をそのまま活かしたことによるという捉え方もあります。

その意味では「ダメな期間にことを起こした」ことについて、良し悪し、功罪、人の評価はさまざまにあるとは思いますけれど、本人にとっては「悔いなし」ということかもしれません。

 

ちなみに、こういう「やってはいけないタイミングで何かをしてしまう」命式の人というのは、因縁が深い人なんだろうと私は思っています。

時流に恵まれ、大きく何かを成すことができる一方、それと同じだけかそれ以上の喪失がある人生。
前者だけ見れば幸せですが、それが必然的に後者につながる宿命の人というのは、その尋常ではない落差を経験し苦しむことを宿命づけられている人でもあります。

もちろん、こうしたことを回避する方法はありますが、そのような「何かするときに“足かせ”ともちえる制限があるという時点でそれも一つの因縁の現れです。

 

しかし一方で、
何か大きな発展に向かうなら何かしらのネガテイブなもの(制限や“足かせ”)を超えていったほうが健全な発展に向かえるものでもあり、
そう考えれば「やってはいけないタイミングで何かをしてしまう」命式の人が、日頃からそうした制限や足かせを採用していれば、それによって健全に発展する、という捉え方もあり、
「制限に対処する」というのは因縁の消化ともいえ、それによって発展できるなら、むしろその制限に積極的に取り組んでいくほうが良いという見方もあるように思います。

 

よって、
そういう命式の人は面倒がらず、しのごのいわずに、そうした制限に前向きに対処されると良いのではないか?
と、私は思っています。

 

ちなみに、私も「ダメなときにことを起こす」名式で、天中殺の1年目は支合、2年目は半会があります。
実際、そのタイミングでそれと知らずに大学入学とか転職とか基盤を作る引っ越しをしています。
大きな組織に属していると、発展も喪失もそれほど大きなものにはなりませんが、それと知ってからは後付けながら対処をしています。
対処をしながら、支合っぽいことや半会っぽいことを控え目ながらやったりもしています。
天中殺中であっても、後天運の消化は大事ですし。

 

それが有効かどうか、禍なく発展するかどうか、今の段階ではよく分かりませんが、体感として今後何か気づくことがあれば改めて報告しようと思います。

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