金烏玉兎庵

八相局、偏りのある人たちの本質

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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陽占の星図が同じ五行だけで構成されている場合を「八相局」といいます。

 

木性(貫索星と石門星)だけで構成されている場合を劫局、
火性(鳳閣星と調舒星)だけで構成されている場合を食局、
土性(禄存星と司禄星)だけで構成されている場合を財局、
金性(車騎星と牽牛星)だけで構成されている場合を官局、
水性(龍高星と玉堂星)だけで構成されている場合を印局といい、
良くも悪くも偏りが大きく、「普通」とか「一般的」とは異なる人です。

 

同じ五行の星がたくさんあることについて、
現代的な思考であれば純粋性が増すように感じるのですが、
実際の効果は濁りが強くなります。

 

何事であれ、その道を極めたプロフェッショナルというのは表の道と同様に裏の道にも通じているものですし、
中庸を欠いて極まれば歪みを生じるものですが、それと同様に、
八相局は一つの五行に偏ることにより、
その五行の分野の裏と表の両面を体現します。

 

よく言えば一つの分野に特化するスケールの大きな練れた人であり、
悪く言えば腹黒い人であるともいえます。
(まぁ、スケールの大きな仕事をしようとするならある程度腹黒くないと実現できないものですしね。)

 

五行別の効果を簡単に書くと以下のとおり。

★劫局は人を弄して自分の意図を実現していくことに長けています。
いわゆる「人たらし」で政治家などに向きますが、腹黒さも強くあります。

 

★食局は芸術家や学者に向きます。
物事の本質を瞬時に捉える頭の良さを持つのですが、それが正しい方向を得て深める方向に向かわないと何事もたかを括ってしまう傾向がでます。

 

★財局は人に囲まれます。男女共に色恋沙汰も多くなります。
人がお金を運んでくるので財運にも恵まれますが、「お金のために人を使う」ことを意識すると腹黒さが嫌われてうまくいきません。

 

★官局はとにかく働き者です。
古い格式ある家系に生まれやすく、その家系の因縁を背負っています。
よってその因縁を解消するべく何か大義のために働くこと、ガチンコで行動すること(何かを実現させること)が望まれます。
(3つも4つも官星があると「ガチンコ」でも案外とそつなくそれをやります。)

 

★印局は頭が良すぎて二歩も三歩も、ときには十歩も百歩も先を読んでしまいます。
結果として他人を警戒し、打ち解けるのが難しくなりがち。よって人との関わりに軸をを置くより知性を軸にした関わりを持つようにすると印局が生きます。

 

ちなみに、
格などに入っていると様々に拘りが強く出るものですが、
八相局もその偏りから様々なことに拘ります。
「拘る」というか、OKなものとそうでないものが明確です。

 

こうした拘りについてハタで見ている普通の人は「我儘」とか「エゴ丸出し」などと思うわけですがですが、八相局の人は我儘やエゴで拘っているわけではなく、きちんと拘っていかなければ生きることさえ苦しくなるような人たちで、悪気があるわけではありません。

 

例えば、
印局の人にとって土性的な人間関係は自らの存在を脅かしますし(土剋水)、
官局の人にとっては木性的な人の和は大義を果たす上では邪魔なもの(金剋木)。

 

八相局の人はそういう合わないものを意識的にではなく本能的に察知して、がっつりバッサリ拒絶します。

 

そうしなければ、自分が自分でいられない。
…そんな人たちです。

 

まぁ生きにくいといえば生きにくいのですが、その分、「生きやすい場所」が明確であるということでもあるので、
早い段階でそれと気づくことができれば、「生きやすい場所」を選りすぐり、その偏りを目一杯振り切って大成できるのではないかと思います。

 

なお、八相局という場合、4つ以上が同質五行であることを指すのですが、3つ(過半)でも半分くらいは効果が出るので、「みなし八相局」として捉えたりします。

その場合、4つ以上あれば問答無用で振り切れるのですが、3つだと微妙に迷います。
「普通にもなれないし、振り切ることもできないし」みたいに。

このあたりは他の2つが過半の五行と相生であれば振り切り、相剋であれば振り切ることに葛藤が生じるので、バランスを目指したほうが安定するように思います。

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