金烏玉兎庵

宿命中殺がある人の飛躍には訓練が必要

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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生年中殺、生月中殺があるようなひとは、「足場が揺らいでいます」ということがよく書かれます。
これについて、私は、
「足場が揺らぐからこそ、安住せず大きな世界に向かうことができる」
ということをよく書くのですが、一方で、
「足場が揺らぐからこそ、その不安の中で自分を律することができるようになる」
「自分を律しなければ苦しいからこそ、普通の人の何倍もかけて自分を律し、高度に“できた人間”になる」
という面もあるな、という気がします。

つまり、
生年中殺や生月中殺は、その特有の、壮大な枠のない世界において活躍することができるのですけれど、
枠がない中では「自分で律する」ということができないと、その活躍を持続発展させることはできないわけです。

「枠がない」ということは、
どこまでも発展する可能性の裏側には、どこまでも下落する、という可能性がある、ということなので、
その下落を逃れるためにはその「枠がない空間」をうまく泳ぐ必要があります。

中殺のない人の空間が、整備されたプールや小川だとすれば、中殺のある人の空間は大海のようなもの。
大海というのは、大きな可能性を秘めてはいるけれど、
無防備に、何の訓練もなくそこに向かうとしんどいことになりますね。

中殺のある人は、そういうデフォルトの設定があるので若い頃はとても苦しい思いをするものなのですけれど、
そういう「しんどさ」というのを経験することによって、
つまりデフォルトにおいて厳しい環境に置かれることによって、
枠のない空間をうまく泳ぐ訓練をせざるを得ず、頑張った人たちというのは、
大海で毎日せっせと泳ぎ回って苦しみつつも筋力と知力、経験を備えた泳者のように、
ふつうの人とは異なる世界で活躍することができるようになるのだろうと思います。

より具体的にいえば、
生年中殺や生月中殺のある人が、
「一般社会」「大組織」、経済界にせよ政界にせよ官界にせよ芸能界にせよ、
持続的な発展をしようと思うなら、ある程度、コントロールスキルを身に着ける必要があって、
それができるようになると、大活躍・大出世・大飛躍、ということになるのだろうと思います。

実際、「活躍している中殺のある人」というのは、みなさん、
「世間に馴染みつつ才能を発揮する」
「大衆の感性とフィットする形で才能を発揮する」
ということを、上手にされているな、と思いますがいかがでしょうか。

その意味では、
中殺の枠のない空間というのは、
彼らが発展し、それを維持するためのスキルを身に着けるための「訓練環境」である、
その環境を宿命的に与えあられた人たちが、中殺のある人である、ということでもあるのだろうと思います。

「生年中殺や生月中殺のあるひとは世界的に活躍している人が多い」
ということだけを切り取って語る方がときどきおられますけれど、
それは、「最初からたどり着く境地」というわけではなく、様々な経験を通してそうした在り方を身に着けている、
いわば、経験を積んで中殺を活用する技を見つけている、ということで、
上記に書いた「大海を泳いでスキルをつける」というような、ある程度の時間と経験を要するものであろうと思います。
※命式のカタチとして、「うまく律することに向かいやすい命式」というのはありますが。

より卑近なところでいえば、
本質的に枠のない壮大な空間の中にあるエネルギーである生年中殺、生月中殺というのは、
日常生活や一般社会において、「枠」の概念がないので自然にしてると出すぎてしまうのですが、
そうやって、「出すぎて叩かれる」という経験をした後に自由を得て飛躍する、
つまり、
自由なエネルギーの跳躍を解放した先において(=実家を出る、フリーランスになる、離婚するなど)何かを得るとか、何かを成すということを実現するのだろうと思います。

ちなみに、その訓練によって、みんなが飛躍するかといえばそうではありません。
訓練しない人(=苦労を放棄した人)は、当然の仕組みとして下落しますが、
訓練した人(=苦労した人、苦労している人)も、飛躍に向かう人と、環境に順応していく人に分かれます。

下落する人が苦しいのは言うまでもありませんが、
環境に順応した宿命中殺があるひと、というのも、相当に苦しいだろうと思います。

環境に順応する人というのは大きな可能性からは身を退いて、いわば「枠の中で生きる」という訓練をしてそれを身に着けた人たちなので、社会環境においては平和な日々を送ることができますが、本人の心は自分が「大海を泳ぐことができる」ということを知っているわけで、単に下落する人をはるかに上回る心的葛藤が渦巻くことになります。

できるなら、そしてどうせ訓練するなら、
「環境に順応する訓練」ではなく、「大海を泳ぐ訓練」をしたいものだな、と思いますがどうでしょうか。

⭐︎生月中殺の「足場が揺らぐ」とは月支が中殺されていることによって起こるものですが、その「月支」についてnoteに書いています。

『月支元命とは何か?天中殺の消化・陽転のために知っておくべきこと』
こちら:https://note.com/kinugyokutoan/n/n36623d4f3e2d

⭐︎サークル参加者、随時募集中です。こちら:https://note.com/kinugyokutoan/circle

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