金烏玉兎庵

「誰かと組む」ということについて

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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三菱商事が槍玉に挙げられている感じのこの記事。
こちら:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00101/021900006/
『大企業とスタートアップの協業、問題は大手の「知財クレクレ病」
三菱商事の「パクリ疑惑」を森・浜田松本法律事務所の増島雅和弁護士に聞く』

大手の「知財クレクレ病」、といってピンとくる方がどれだけいるかわかりませんが、なんとなく「あるある」だな、と思います。

「クレクレ病」という表現はちょっと違う気もします。
従前から大手企業がスタートアップや小資本の会社を支援なり出資なりをし、その先において目ぼしい成果が見られたら自分の会社に取り込むという流れはありましたし、場合によってはスタートアップや小資本の会社の社長のほうがそれを希望することもありました。
…ので、一方的に大企業が悪いとも言い切れない部分があるのでは?と思ったりします。
記事の全部を読んでないので詳しいことは分かりませんが。

それはさておき、
何かをしよう!というときに、多くの人は「誰かと組む」ことを考えるようですが、
世の中には「誰かと組む」ことが向く人向かない人、
「誰かと組む」ことが良い効果を生む人悪い効果を生む人がいるので、
本来はそのあたりをよくよく考えておくべきだろうと思います。

これは、個人同士であればもちろん、会社と会社の場合でも決定権のある人(主に社長)の性質は、提携やM&Aの成否に大きく影響するものなので、できるなら事前にその辺りもチェックしておくと良いように思います。

これは、一般的な「誰かと組む」ということの客観的なメリットが明らかであっても、属人的要素、それを担う人の性質により、奏功することもあれば不芳に終わることもある、ということです。

技術のある会社が資金と販売力のある会社との提携を検討していて、まわりからは明らかなメリットしか見えないにもかかわらず、時に破談になったりするのは人の要素によるのだろうと思います。

そういえば、昨日の日経に、
前田建設からのTOBに対して傘下の前田道路が配当を6倍にして対抗するというニュースがありましたが、このあたりは前田道路の社長の性質を読み間違えたことが遠因であろうと思います。

前田道路の社長、今枝氏は中央と東が貫索星、ただいま現在の従星は天南星で、これを見れば、焦土作戦(べらぼうな配当に自社の価値を落として買収しようとする会社の意欲を削ぐ作戦)のような奇策をもってしてもTOBに対抗しそうな人物であることは容易に分かります。

個人的には、今枝氏が社長を退任するまで待てばこうした事態は避けられたのではないかと思いますがどうでしょう。

(なお、北は牽牛星、若年期の従星は天禄星なのでこういう組織でも社長に上り詰められたのだと思いますが、中央と東の貫索星、壮年期の天南星だけみれば本来、組織には向かないタイプのように思います。)

「誰かと組む」という話に戻せば、
それぞれに強みがあれば「誰かと組む」というのは多くの場合メリットを生むものですが、
その「誰か」との相性を無視してしまうとそのメリットは半減、ときにマイナスになることもあります。

逆に、相性が良ければさしたるメリットがなくても何かしら開いていくものがあったりもします。
が、これは例えば「何をするかより、誰とやるかが大事」と言えるほどの相手に限定されるだろうと思います。
(つまり、互いに確立されていない人同士は組んでも共倒れになるだけ、ということ)

そして、そもそも「誰かと組む」ことが向かない人、
一人で頑張ることでスイッチが入る人というのもいるので、「誰かと組む」ときは目先の、あるいは客観的なメリットだけにとらわれることなく、人的要素もしっかりと吟味することが望まれるだろうと思います。

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