金烏玉兎庵

宿命と環境と根っこの話

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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人間の運命というのは、宿命だけでなく、環境の影響も受けており、
その人物がどのような人間となっていくか?
…というのは、宿命の影響が半分、残りの半分は環境の影響に寄ります。

これは、宿命に応じた環境に恵まれれば伸びる、ということのみならず、
宿命がどうであれ、環境次第で「環境によって人間が出来上がる」ことも、あるのだということです。

え??と思う方もおられるかもしれませんが、
例えば、歌舞伎役者らしくない人物でも、幼少期から歌舞伎役者として育てれば、
本人の宿命がどうであれ、ある程度、歌舞伎役者としてやっていくことができる人間が出来上がっていくものですし、
幼少期から、学者にするべく育てていけば、本人の宿命がどうであれ、ある程度、学者としてやっていくことができる人物が出来上がっていきます。

それであれば、世の中で行われている幼少期からの英才教育はすべて実を結ぶのでは?
…というご指摘を想定して、先に書いてしまうと、

子供が立派な歌舞伎役者に育つのは「歌舞伎役者になるための適切な教育」が行われた場合であり、
子供が立派な学者に育つのは「学者になるための適切な教育」が行われた場合であって、
多くの場合、親が「これが正しい」と思うその教育方法が誤っているから、たとえ幼少期から英才教育を施してもまるで実を結ばない、ということになります。

例えば、市川染五郎(当代)さんは高校中退、市川團十郎(当代)はんは高校留年しておられますが、歌舞伎役者というのは「学問」などしないほうがよく、そうであってこそ立派な歌舞伎役者になることが出来ます。
学者として大成するには、父親の存在がとても重要な意味を持ち、ノーベル賞クラスの学者というのは洩れなく父親の影響を強く受けているもの。

現代では、こうした「型」を知らない方のほうが多く、
それゆえ「型」を無視した英才教育を施し、結果として「失敗した」ということになりがちなので、見落とされがちなのですが、
人間というのは、半分は宿命、半分は環境によって出来上がるものであり、
この点にしっかり留意しておかないと、適切な人間が育たない、ということになるので注意が必要です。

いや、別に世のなかのすべての人間が「適切な人間」である必要はないですし、
なんなら、世の中どこかに「欠け」がなければならない、という前提に立てば、むしろ身内の中に「適切な人間」ではない存在がいたほうがむしろ良い、
…という考え方もあるのですが、
何にしても、環境というのは人間が出来上がっていくうえで、無視できない要素である、という理解はとても重要なのです。

さて、いったい何の話なのかといえば、
「故郷を愛していない人は、確かな存在感を発揮できない」
…というお話です。

算命学では、その人物が、仕事をするとか、他人と関わりあうとかいうときに、
〇揺るぎなく自分の利益を主張し勝ち取るとか、
〇確かな強さをもって他人を動かすとか、
そんなふうに、しっかりとした存在感を発揮することができる人物であるかどうか?
…を、捉えるために、まず何を見るかといえば、その人物の命式に、「根っこ」があるかどうかを見るのですが、

この「根っこ」を「環境」でいえば、
自分が生まれた場所、自分の存在のルーツであるので(「ルーツ」はそのまま「根っこ」を意味しますね)
命式に根っこがなくても、自分が生まれた場所やルーツを大切にしている人というのは、
実は、命式に根っこを持つ人と同じくらい、商売や政治の世界で活躍することができる一方で、
命式に根っこがあっても、自分が生まれた場所やルーツを否定したり、疎かにしている人というのは、
根無し草としてふらふらとしてしまい、商売や政治の世界で活躍することなど、まるで出来ない、ということになります。

戦後、多くの人たちが、いわゆる「金の卵」と呼ばれ、故郷を離れて集団で上京し、
またその後も、経済的な事情か、あるいはまた別の事情か分かりませんが、故郷を捨て、多くの人たちが東京を目指した結果、
首都圏に住む人は「根無し草」といわれ、企業が雇用するには便利である一方(根っこがない方が使いやすいですからね)、
個人の側からみれば、自分の人生を生きることなく、誰か、あるいは何か(企業など)の肥料になっているケースが多くあり、
それが、「失われた30年」の原因の一つでもあるのです。

この現実に思いを致すとき、私たちが故郷を思い敬意を払い続けることの大切さ、
たとえ、故郷に戻ることがなくとも、その場所に憧憬を抱き、敬意を払い続けることの大切さに気付かれるのではないかと思いますがどうでしょうか。

なお、自分が活躍を目指すうえで、自分を強くしてくれるのは、故郷への思いですが、
実は、それよりもはるかに力をくれるのが祖国への思いです。

というのも、故郷に紐づく根っこよりも、祖国に紐づく根っこのはるかに大きく安定感のあるものであるから。
…現代において、「祖国」という言葉にピンとこない方もおられると思いますが、
大きなスケールのことをしている方を見れば、それを公表しているかどうかの別はありますけれど、祖国を大切にしているもので、
一度、その視点で世界をご覧になれば、その意味が分かるのではないかと思います。

そして、なぜ、安倍首相があれだけ支持されたのか、そして今、高市さんが支持されているのか、の意味が分かるのではないかと思います。

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