金烏玉兎庵

「ドラマチック」という稚拙さ

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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偏差値30台から東大に入りました!とか、
年収300万円ながら5年で1000万円貯金しました!とか、
昔、いじめられていましたがアイドルになりました!とか、

そういう「落差」というのはドラマチックで人の注意を引くものですが、
そういう大きな「落差」を経験している人というのは、
多くの場合、性格に大きな偏りをもっているもので、
長い年月の経過を俯瞰してみれば、けっこう破壊的なことになっていることも多くあります。

これは、算命学という観点でいえば、
いわゆる「忌神的(=極端)であるためで、
極端にどちらかに触れれば、自然の摂理として、その反作用が生まれることに寄ります。

若い頃は、そういうドラマチックにしてドラスチックな実現に興味が向かいがちなものですが、
ある程度年を重ねると、反作用のことも視野に入るようになり、
その結果として「プロセス」に注目するようになります。

これを別の角度からいえば、
若年期=社会で活躍する前の段階においては、
落差の大きい、アピール力の強さに気持ちが向かう一方、

壮年期=社会である程度活躍するようになると、
只今現在取り組んでいること、その延長にあるもの、といった「プロセス」のほうに注目するようになる、
ということでもあります。

若年期、壮年期…と書きましたが、

40代、50代になっても、
「目立つことが正義」と思っている人というのは、
だいたい「社会で活躍する前」(=若年期的)の人である一方、

「目立つことのデメリット」が視野に入り、目立つよりも中身のほうに気持ちが向かっているような人は、
10代、20代でも、社会的に重要なポジションを得ている方が多いように思います。

こうしてみると、
「若年期」とか「壮年期」とかいうことが、
必ずしも年齢に一致しないことに気づきますね。

もっとも、他の要素で「目立ちたい」という質を持つケースもあります。

たとえば、申酉天中殺は、外向きの世界に出張っていく質がありますし、
天恍星は、目立つことで孤独を解消しようとする質があります。

なので、一つのモノサシだけで「こう」と断じることができるものではないですが、

それでも「落差」によるアピールというのは、
やはり稚拙さというか幼稚さというか…が感じられるように思いますがどうでしょう。

なお、これは、若年期・壮年期・晩年期の構造の延長にあります。
本日、noteのほうに、その若年期・壮年期・晩年期の構造について書いたのですが、それに通じる内容です。

若年期・壮年期・晩年期の構造はけっこう重要なので、
もともとは公開で書こうと思っていたのですが、やや難解な文章になってしまったので、急遽noteに振り替えたのでした。

けれど、

It is the losing dog that bets on the future.
「未来に賭ける」なんていうのは負け犬のすることだ。

…という、海外ドラマ『ブラックリスト』の主人公、レイモンド・レディントンの言葉の意味が分かる方なら、
若年期・壮年期・晩年期の構造の意味も理解できるのでは、と思います。

「将来」「次回」「今度こそ」…という言葉は、「大人」の使う言葉ではありません。

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